もうすぐ新年度。異動や昇進、後輩の配属など、会社員にとっては一つの区切りになるタイミングです。こうした時期に考えるのがキャリアアップで、そのために「資格を取りたい」という人も多いでしょう。
資格取得を支援してくれる教育訓練給付金制度は、誰もが存在を知っていると思いますが、具体的にはどんな仕組みなのでしょうか。
教育訓練給付金は資格の難易度別に3種類ある
教育訓練給付金は、資格の難易度と給付率によって3種類用意されており、要件を満たしていれば在職中でも離職中でも受給できます。
一般教育訓練給付金 オフィスワーカー向け、支給上限は10万円
一般教育訓練給付金は、厚生労働大臣が指定する一般教育訓練を受講し修了した場合に支給されるものです。支給額は受講料の20%で、上限は10万円です。主な資格は次の通りです。
・ 事務関係──英検、TOEIC、簿記検定など
・ 情報関係──マイクロソフトオフィススペシャリスト、Webクリエイター、CAD検定など
・ 士業関係──中小企業診断士など
また、修士・博士の学位などの取得を目標とする大学院などの課程も対象です。
特定一般教育訓練給付金 介護職、士業など専門職向け
特定一般教育訓練給付金は、指定の一般教育訓練のうち、キャリアアップ効果の高い講座を対象に給付率を倍増するものとして、2019年10月に新設されました。人手不足が叫ばれる物流業界や介護業界の人材確保に向けて、積極的に資格講座を受講してもらうための政策です。
支給額は受講料の40%で上限は20万円、一般教育訓練給付金の倍です。主な資格は以下の通りです。
・ 医療・福祉関係──介護職員初任者研修など
・ 輸送・運転関係──大型・中型自動車免許、フォークリフト・クレーン運転技術講習など
・ 技術・農業関係──自動車整備士、電気主任技術者試験など
・ 士業関係──社労士、税理士、行政書士など
専門実践教育訓練給付金 医療・福祉など実践的な職種向け、最大120万円
専門実践教育訓練給付金も指定の教育訓練を受講・修了した場合に支給されます。支給額は受講料の50%で、上限は1年間で40万円、最長3年間まで支給され、上限の合計は120万円です。
さらに専門実践教育訓練を受けて資格を取得した後、受講修了日から1年以内に就職した場合は、ボーナスとして受講料の20%が追加支給されます。主な資格は以下の通りです。
・ 医療関係──看護師、助産師など
・ 社会福祉関係──介護福祉士、保育士など
・ 保健衛生関係──美容師、歯科衛生士など
・ 専門的サービス関係──キャリアコンサルタント
MBAや法科大学院などの課程や専門学校の職業実践専門課程も対象です。
資格は「価値の証明」
教育訓練給付金の対象となる教育訓練は約1万4000講座あります。
働き方が多様化する中でも、資格は自分の価値を証明できるアイテムです。お得に資格取得が目指せる教育訓練給付金制度を活用してはいかがでしょうか。
文/編集・dメニューマネー編集部
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