相場下落のサイン?繰り返される海外株投信の「7年サイクル」

2022/04/16 21:00

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米国株や海外株投資信託に注目が集まるなか、ピークを付けている可能性に注意したい。2000年のITバブル、07年の中国バブル、14年のシェールオイルなど、約7年のサイクルで特定のテーマ型投信信託に資金シフトが起きては、人気のテーマ株がピークを付けている現象が繰り返されている。 米国株人気の背景は? 米国株式の稼働客数は2

米国株や海外株投資信託に注目が集まるなか、ピークを付けている可能性に注意したい。2000年のITバブル、07年の中国バブル、14年のシェールオイルなど、約7年のサイクルで特定のテーマ型投信信託に資金シフトが起きては、人気のテーマ株がピークを付けている現象が繰り返されている。

米国株人気の背景は?

米国株式の稼働客数は21年末には前年比2.0倍、米国株式約定件数は2.1倍になっている(楽天証券による)。同社は2021年12月に米国株の積立サービスを開始、2022年7月には米国株式の信用取引も開始する予定であり、米国株人気は今年も続く公算が高い。

株式投資では上昇する市場に投資したほうが稼ぎやすい。NYダウは、20年7.2%、21年18.7%と、日経平均株価の20年4.9%、21年16.0%を上回る上昇だったため米国株人気が高まった。

特に、GAFAMと言われるグーグル(持株会社のアルファベット)、アップル、フェイスブック(現メタ・プラットフォームズ)、アマゾン、マイクロソフトは、グローバルなプラットフォーマーとして高成長・高収益を続けており、株式市場での存在感が強い。GAFAM以外でも電気自動車のテスラ、先端半導体のエヌビディアなど、投資対象として魅力的な企業が多いことが米国株人気の背景だ。

海外株投信に過去最大の8.3兆円の資金流入

投資信託も外国株人気が続いている。2021年における株式型投資信託ETF除く)への純資金流出入額をモーニングスターの大分類別にみると、国際株式型に約8.35兆円の純資金流入があり、20年の3.59兆円の2.3倍と加速した。全体の純資金流入額に占める割合は90.0%と高水準だった。

個別のファンドでは、北米株に投資する『アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)』がトップで、9,394億円の純資金流入、純資産総額は1兆6,694億円になった。他にも米国株、米国成長株に投資するテーマ型投信が残高を伸ばした。

米国株投信は7年周期のピークを付けた?

過去にも00年のITバブル時、07年の中国株バブル時、14年のシェールガスブーム時に海外型投資信託への資金流入が急増した時期がある。

ただ、資金流入のピーク時に関連するテーマ株も高値を付けるというアノマリーがある。そのサイクルは約7年周期で、21年はシェールガスブームで投信が売れてから7年目であり、昨年急増した米成長株投資のファンドは警戒するべきなのかもしれない。

米国株一辺倒でなく日本株などを含めた分散投資を

米国企業や米国株の魅力は大きい。ただ長期の資産形成を考えると、米国一辺倒の投資にはリスクがある。長期投資の基本は分散投資。日本を含めた他の資産も検討する時期だろう。

逆に、長期の積み立て投資をするのなら、下落局面では購入株数が増えるためドル・コスト平均法で好リターンを狙うこともできる。米国株の積立投資を始めるなら良いタイミングなのかもしれない。

文/編集・dメニューマネー編集部

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