違法建築や不法侵入など、しばしばネガティブな場面で使われる「違法や不法」。脱法や非合法などという言葉もあり、さまざまな場面で法にそむく行為がなされている様子がうかがえます。
「違法」と「不法」はどちらも同じ意味だと思われるかもしれませんが、実は微妙に異なる点があります。どのように違うか分かりますか?
民法の原則は過失責任
まず「違法」とは、法律に違反する行為の一般的な言い方です。違法駐車や違法建築、違法性などと使われます。
一方「不法」は法律でも使われる言葉です。「不法」は「違法」と同様に法律違反という意味ですが、民法によってさらに細かく定義されます。民法上の「不法行為」とは、故意または過失によって他人の権利や利益を侵害することです。
不法行為が成立すると損害賠償を請求できます。「故意または過失」を一般的な言い方に置き換えると、故意は「意図的に」になり、過失は「不注意で」となります。どちらでもない場合は不法行為にならず損害賠償の義務は発生しません。
ただ民法以外では過失がなくても責任を負う分野があり、代表的なものが公害です。1970年代、公害の原因を作った者が無過失損害賠償責任を負うことが法律により定められました。環境汚染で健康被害が出ていても因果関係を立証するのは困難だったからです。
このほかにも「不法」には、「道理や倫理にそむく」というニュアンスが含まれます。これは「違法」とは異なる点です。「不法投棄」「不法侵入」などが挙げられます。
解答:「違法と不法」の違いとは……
「違法と不法」はどちらも法律に違反することですが、「不法」には法律に違反するという意味以外にも、道理や倫理にそむくことも含まれます。同じ意味を持つ言葉ですが、使い分けが必要な場合もあります。
文/編集・dメニューマネー編集部
【関連記事】
・4月に変更!「年金を多く受け取る」ために知りたい3つのこと
・初心者向け!ネット証券オススメランキング(外部サイト)
・エスパー伊東さん「老人ホーム」に 入居費用は年金で足りる?
・株主優待をタダ取りする裏ワザとは?(外部サイト)
・ ガソリン代170円突破!節約のための2つのコツ
(2022年2月14日公開記事)