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50代後半、家を買いたい。今から住宅ローンを組める?

2022/04/17 21:00

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お金の悩みにFP(ファイナンシャルプランナー)が答える連載企画。今回は、家を購入したいという55歳男性からのご相談です。今から住宅ローンを組んで買うことは可能か知りたいとのこと。相談者の事例をもとに、50代で家を買う場合のマネープランについて解説します。 回答者・武藤貴子(ファイナンシャル・プランナー)

お金の悩みにFP(ファイナンシャルプランナー)が答える連載企画。今回は、家を購入したいという55歳男性からのご相談です。今から住宅ローンを組んで買うことは可能か知りたいとのこと。相談者の事例をもとに、50代で家を買う場合のマネープランについて解説します。

回答者・武藤貴子(ファイナンシャル・プランナー)

マネーコラムの執筆、情報発信を中心に活動するFP(AFP)、金融ライター。会社員時代の経験から、副業や起業に関するアドバイスも行う。投資や在宅でできるネット副業に詳しい。著書に『いちばん稼ぎやすい簡単ブログ副業』(河出書房新社)がある。

相談 「住宅購入を考えている。50代後半でもローンを組んで買うことができるか」

「若い時は、収入面などの事情からマイホーム購入を見送った。しかし、老後を迎える前に持ち家が欲しいと考えるように。現在55歳だが、住宅ローンを組んで買うことはできるか」

相談者プロフィール

夫 55歳 正社員 年収680万円(うちボーナス100万円)
妻 55歳 パート勤務 年収100万円

夫婦2人暮らし、2人の子どもは独立。貯金は約1500万円、退職金は約800万円受け取れる見込み。昔あきらめた住宅購入を考えている。頭金は貯金から1000万を、また、60歳で受け取る退職金で繰り上げ返済したい。60歳以降は、再雇用で夫婦とも65歳まで働く予定。

1ヵ月の家計簿
収入金額
夫の手取り月収35万円
妻の手取り月収8万円
収入合計43万円
支出 金額
住居費10万8000円
食費6万5000円
通信費(自宅Wi-Fi+スマホ2人)1万4000円
水道光熱費2万円
医療保険(夫婦2人)6000円
小遣い(夫婦2人)6万円
その他(日用品・被服・美容・レジャーなど)4万円
支出合計34万3000円

武藤さんの4つのアドバイス

1 短い期間で返せるプランを立てよう
2 物件価格は無理のない金額に抑えよう
3 老後資金が確保できるか必ず確認して
4 60歳以降の収入減を踏まえ生活費のサイズダウンを

アドバイス1 短い期間で返せるプランを立てよう

リタイアを決めている65歳までに完済しよう

「50代後半でも住宅ローンを組めるのか」と心配する相談者ですが、55歳でも、住宅ローンを組むこと自体は可能です。ただし、返済に長い時間をかけることはできません。老後もローンを返済することは経済的なリスクが大きいため、リタイアを決めている65歳までの10年間で返せるプランを立てましょう。

65歳までに完済するとして気を付けたいのは、60歳以降は再雇用になり、夫婦ともに収入がおよそ半減するという点です。60歳までと変わらない返済額では、家計に多大な負担がかかるでしょう。そのため、60歳の退職時にまとまった金額を繰り上げ返済し、それ以降は毎月の返済額を抑えるようにします。

繰り上げ返済には退職金の一部を充てますが、その他にも、毎月の収入やボーナスからも貯蓄しておきましょう。

万が一の時は団信やその他生命保険で返せるように

また、50代は加齢によるリスクが高くなるため、団信(団体信用生命保険)への加入が必須となります。団信とは、住宅ローン返済中に契約者が死亡したり高度障害になったりした場合、保険金により残りの住宅ローンを弁済してくれる制度です。

団信は健康状態によっては加入できないこともあり、その場合、融資返済額相当の保険金が受け取れる生命保険に加入しているかどうか、必ず確認しましょう。

アドバイス2 物件価格は無理のない金額に抑えよう

老後を意識した「手ごろ」なものを

返済期間が短く、60歳からは収入が半減、さらに、老後も控えている相談者。住宅ローンを借りるなら、決して無理のない金額に設定する必要があります。となると、物件価格も「手ごろさ」を大切にしましょう。たとえば新築よりも適度にリフォームされた中古物件を選ぶと、価格を抑えられます。

一方、これから購入するとなると、老後の生活を前提とした家を買うことになります。「終の棲家」として、バリアフリー機能も備えておきたいところです。また、年を重ねると移動に負担がかかることを踏まえ、医療機関や商店から近い立地を選ぶと便利でしょう。

物件価格は家計に負担のない返済額から決める

「マイホームには○○万円くらいかけたい」という希望はあるかもしれません。が、無理なくローンを完済するには、まず、家計に負担なく支払える返済額を知り、それを基準に物件価格を決めることが大切です。

家賃や住宅ローンなどの住居費は、「手取り月収の25%~30%」が適切とされています。現在の家賃は手取り月収のちょうど25%と理想的でしたので、60歳になるまでの5年間は、現在の住居費と同じ月10万8000円なら問題なく出せるでしょう。60歳以降は、収入が半減する見込みです。その場合の住居費の目安は、手取り月収の25%とすると、月5万4000円となります。

この毎月の返済額を基準とし、そのほか、退職金や60歳までの月収やボーナスからいくら繰り上げ返済ができるのかも考慮し逆算すると、返済に無理のない物件価格の目安となります。ただし、住宅購入時には、別途諸費用(中古物件の場合、物件価格の6~8%前後)もかかりますので、忘れずに。

アドバイス3 老後資金が確保できるか必ず確認を

また、50代で住宅を購入するなら、無理なく住宅ローンが支払えるだけでなく、「家を買っても充分な老後資金が確保できる」ことが必須の条件となります。

老後にかかるのは、生活費だけではありません。病気や介護に備えるお金のほか、家を買えば、たとえ新築でもいずれはリフォーム費用がかかります。住宅ローンの頭金や繰り上げ返済でまとまった金額が出ていっても、これら老後資金に充てられる貯金や金融資産がどのくらいあるのか。公的年金の見込み額も含め、しっかり確認しておきましょう。

現在の家計を見ると、仮に住宅ローンの繰り上げ返済分を貯めても、月収やボーナスにまだ余裕が残るでしょう。その分は、老後資金として貯めていきましょう。それでも不足が生じるようなら、購入する家の価格や、場合によっては家の購入そのものを見直します。

アドバイス4 60歳以降は収入減。今から生活コストの削減を

もう一つ気を付けたいのは、60歳以降の収入減です。収入が減れば生活費も抑えなければなりませんが、それでも不足する場合、貯金に手を付けることになるでしょう。しかし、それでは老後のための貯えが目減りする恐れがあります。

そうした事態を避けるためには、今から生活コストを抑え、収入が減った時のために貯金に力を入れておくことが重要です。また、あらかじめ生活レベルを下げておけば、実際に収入が減ってから慌てることもないでしょう。

家が買えたら、それだけで安心ということにはなりません。住宅ローンの返済プランだけでなく、老後や60歳以降の生活についても、必ず考えるようにしてください。

住宅ローンの支払いと充分な老後資金の確保を両立させよう

これから家を購入するなら、まずは短い期間で無理なく返済できるプランを立てること。さらに、充分な老後資金を確保することと両立させましょう。その上でリタイアまでに住宅ローンを完済できれば、住居費に不安のない老後生活が送れるでしょう。

文・武藤貴子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部

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