『劇場版 呪術廻戦 0』が、公開からわずか43日で、興行収入100億円を突破した。今話題の『呪術廻戦』など、人気作品を生み出すのが「アニメ制作会社」だが、仕事内容や給料事情はどうなっているのだろうか?また、『呪術廻戦』のアニメを手がけるアニメ制作会社・MAPPAの給料事情も気になるところだ。
アニメ制作会社の仕事内容は「企画提案」「制作進行」
アニメ制作会社の主な仕事内容は、「企画提案」と「制作進行」だ。
「企画提案」とは、テレビ局や映画会社からアニメの制作依頼を受けた後に、企画を立案して依頼元にプレゼンなどをする業務。アニメ制作の最高責任者とされるプロデューサーが業務を担当することが多い。
「制作進行」とは、アニメ制作の複数の工程を管理する業務。企画が承認された後に、制作するアニメの内容や納期、予算を把握し、アニメーターをはじめとするスタッフを手配する。アニメーターから納品された原画を確認し、監督や演出家の意図を汲んで原画を調整するなど、制作側とアニメーターをつなげる役割も果たす。
また大手制作会社には、原画や、原画をもとにした動画を作成する「アニメーター」が在籍している場合もある。
アニメ制作会社の平均年収は職種によって差が大きい
アニメ制作会社の平均年収は、職種によって大きく差があるようだ。
少し古いデータだが2019年に発表された調査や、アニメに特化した専門学校の情報をもとにすると、「プロデューサー」の平均年収は550万〜600万円ほどだ(一般社団法人日本アニメーター・演出協会「アニメーション制作者実態調査報告書2019」より)。
一方で「制作進行」の平均年収は、285万〜300万円ほど。2020年における日本の平均年収は433万円であり、これを大きく下回っていることが分かる。
ただ、制作進行は基本的には新人や就業年数が浅い人が就く職種で、将来的には制作進行を取りまとめる「制作デスク」や「プロデューサー」になるケースが多いという。将来的に年収が上がる可能性を考えれば、そこまで悪くないという見方もあるのかもしれない。
『呪術廻戦』『進撃の巨人』を手がけるMAPPAの年収は?
冒頭で触れた、『劇場版 呪術廻戦 0』を制作するアニメ制作会社MAPPAの年収はどうなのだろう?
MAPPAは、『呪術廻戦』のほかに『進撃の巨人』や、第40回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞した『この世界の片隅に』などの制作を手掛けている。
数々の人気アニメを世に放つMAPPAの年収だが、年収、社員のクチコミを多数掲載している求人情報サイト「OpenWork」によれば、300万円くらいで、上述の日本の平均年収よりも少ない。
とはいえ、ポジションが制作進行から制作デスクなどへとランクアップした際は、手当が支給されるらしい。
アニメ業界で稼ぐにはやはり、実力は必要不可欠といえよう。
「アニメーター」の平均年収はさらに低い?
フリーランスとして働く人の割合が過半数を占めるアニメーターの年収は、100万円余り〜330万円ほどとされている。
アニメーターや声優の育成をする「専門学校デジタルアーツ東京」のコラムによれば、20代のアニメーターの平均年収は約110万円程度だという。これを12ヵ月で割って月収を算出すると、ひと月約9万円となる。とてもじゃないが、アニメの仕事だけで生活はできない。厳しい現実が目の前に広がっている。
アニメの制作現場は一見華やかな世界に見えるが、その裏には厳しい給料事情があるようだ。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
画像・© 2021「劇場版 呪術廻戦 0」製作委員会 ©芥見下々/集英社
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