投資で資産を増やしたい

投資格言「戦争は買い」の理由 ロシアがウクライナから撤収へ 市場の注目集まる

2022/04/17 19:00

https://money.smt.docomo.ne.jp/image/MxiktT7IRFih6DsAz2frYw.jpg
ロシア国防省は2月15日、ウクライナ東部との国境近くのロシア軍部隊が演習を終えて撤収を始めることを発表した。しかし撤収の規模などは明らかにしておらず、依然として緊張感が高まる不透明な状況だ。金融市場は変動の荒い相場になっており、市場の注目はウクライナに集まっている。 戦争に関しては「遠くの戦争は買い、近くの戦争は売り」

ロシア国防省は2月15日、ウクライナ東部との国境近くのロシア軍部隊が演習を終えて撤収を始めることを発表した。しかし撤収の規模などは明らかにしておらず、依然として緊張感が高まる不透明な状況だ。金融市場は変動の荒い相場になっており、市場の注目はウクライナに集まっている。

戦争に関しては「遠くの戦争は買い、近くの戦争は売り」と言う格言がある。不謹慎と思われるかもしれないが、過去の市場、相場の動きを端的に言い表しているのが格言というものだ。この格言から何を学び取れるだろうか。

いまさら聞けないウクライナ情勢: わかりやすく3ポイントで解説

1 ロシア、欧州、アジアをつなぐ重要な地理的拠点

ウクライナは東ヨーロッパにある国で、東にロシア、西にヨーロッパ、南には黒海をはさんでアジアがある重要な地理上の拠点である。

中立国ではあるが、2013年に前ヤヌコビッチ政権が親ロシア政策を強化したことで、国内でデモや抗議活動が長期化した。

ロシアは混乱を鎮圧するため、14年にウクライナ領である黒海のクリミア半島に侵攻しロシアに併合した。国際的にはこの併合は認められておらず、以降クリミア半島は紛争地域となっている。

2 世界のエネルギー戦略としても重要、原油高の一因へ

世界のエネルギー戦略においてもウクライナは重要な意味を持つ。欧州が使用する天然ガスの多くが、ロシアからウクライナを経由するパイプラインを通じて供給されているからだ。天然ガスは石油よりクリーンなため脱炭素化で重要な資源でもある。

3 ロシアが軍隊を集結、軍事行動の場合は欧米が制裁へ

ロシアは、北大西洋条約機構(NATO)が東方拡大を停止しないことなどに不満を表明し、21年11月にウクライナの国境へ軍隊を集結し増強している。

米バイデン政権は、ロシアがウクライナ侵攻する可能性があるとして警戒を強めている。欧米各国はロシアが軍事行動に出た場合、協調して大規模な金融・経済制裁を発動する準備をしている。

ロシア−ドイツ間の天然ガスのパイプラインも制裁対象となる可能性が高いため、原油、天然ガス価格が高騰するひとつの要因となっている。

投資格言「遠くの戦争は買い、近くの戦争は売り」の意味は?

地政学リスクの高まりで世界の金融市場は、株安、債券安、ドル安・円高などのリスクオフに傾いていが、「戦争は号砲とともに買え」「遠くの戦争は買い、近くの戦争は売り」などの相場格言を紹介したい。

たとえば、1991年の湾岸戦争は、1990年8月のイラクのクウェート侵攻がきっかけとなり、91年1月に米欧軍を主とする多国籍軍がイラクを攻撃して始まった。90年のクウェート侵攻前に3万2,000円程度だった日経平均は、侵攻後の9月には2万円まで大きく下げる。ただ、91年1月に湾岸戦争が始まると、3月には2万7,000円まで大きく戻した。

2003年のイラク戦争は、03年3月に米英が中心となる連合軍がイラクの大量破壊兵器保持に対する違反を理由にイラクへ侵攻したことで始まった。すでに緊張感が広まっていたため日経平均は8,000円まで下げていたが、イラク侵攻後に底打ちし9月には1万1,000円まで上昇した。

紛争や金融市場に十分に織り込まれている場合、軍事行動が相場の反発のきっかけになることもあり得ることは頭に入れておきたい。

文/編集・dメニューマネー編集部

【関連記事】
4月に変更!「年金を多く受け取る」ために知りたい3つのこと
初心者向け!ネット証券オススメランキング(外部サイト)
エスパー伊東さん「老人ホーム」に 入居費用は年金で足りる?
株主優待をタダ取りする裏ワザとは?(外部サイト)
ガソリン代170円突破!節約のための2つのコツ

(2022年2月16日公開記事)