大手居酒屋チェーンのワタミ <7522> と「庄や」を運営する大庄 <9979> 、同じ業界の上場企業どうしですが、どちらの社員がより高年収なのでしょうか。
どちらもここ1年で数十万円下落
最新の有価証券報告書によれば、社員の年収はワタミが408万円、大庄が400万円でほぼ同額。サラリーマンの平均年収496万円を100万円ほど下回っており、やや低めの水準です。
なお、直近5年間の推移は次のとおり。どちらも2019年までは横ばいで推移していましたが、2020年に大きく減っています。
年 | ワタミ | 大庄 |
---|---|---|
2016 | 464万円 | 410万円 |
2017 | 469万円 | 412万円 |
2018 | 470万円 | 423万円 |
2019 | 466万円 | 424万円 |
2020 | 408万円 | 400万円 |
コロナ禍で業績が大きく悪化
社員の年収が大きく下落したワタミと大庄。原因と推測されるのは、やはりコロナ禍での業績悪化です。
ワタミはここ数年、売上高が緩やかに減少、利益はゼロ円付近を推移していましたが、2021年3月期は一気に悪化。売上高は前年比30%減、営業損益は100億円近い赤字を計上しました。
大庄も同様の傾向で、直近の2021年8月期決算では売上高が2年前から約75%減、営業損益は60億円の赤字です。
各業界でコロナ禍の影響が出ていますが、なかでも居酒屋業界は大きな打撃を受けたことが分かります。
ワタミ、大庄とも大量閉店……
業績の悪化が深刻なワタミと大庄。オミクロン株の流行もあり居酒屋業態の回復は依然として見込めず、それぞれ不採算を理由に数十店舗の閉店を決定しました。
ワタミに至っては2月14日、年内に約40店、2023年に約40店ほどを閉店する方針を発表しました。大庄は昨年、51店舗閉店しています。
それぞれ焼肉や定食など比較的コロナの影響の少ない業態への転換を進めるほか、ワタミは宅配事業の強化も進めるなど打開策を探っています。
最新の四半期決算を見ると、どちらも売上高は伸びていないものの営業損益ではやや改善傾向で、コロナ禍の影響は下げ止まったようにも見えますが、先行きは不透明。
今後どれだけ業績を回復できるかによって、社員の年収がさらに下がるか、あるいは上向くかが決まりそうです。
文/編集・dメニューマネー編集部
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