餃子チェーン最大手「餃子の王将」を運営する王将フードサービス <9936> は、21年10月から12月の3ヵ月連続で同月比の過去最高売上を記録した。「にんにく激増し餃子」「おうちで餃子」「ぎょうざ倶楽部キャンペーン」など、販促促進が功を奏したようだ。コロナ禍でも好業績を記録する同社の強みに迫る。
餃子の王将の月次売上過去最高
2022年1月こそオミクロン株による「まん防」が各地で適用されたことで過去最高には届かなかったが、直営全店売上は前年同月比9.5%増の68.5億円、既存店売上は7.2%増の66.4億円と好調だった。1月3日には単日比で過去最高となる3.3億円の日販を記録した。
テイクアウト・デリバリー需要が売上増を支えているようだ。デリバリー導入店舗数を積極的に増やし、2021年3月末の413店舗から21年12月末には546店舗に拡大し、導入率は74%に達したことが売上を押し上げている。
2021年の東京では、1月8日〜3月21日、4月25日〜6月20日、7月12日〜9月30日の3期間で緊急事態宣言が出され、時短、酒類の提供の中止等の制約を受けた。
たとえば、緊急事態宣言下の21年9月の店内売上が31.6%減と壊滅的だった一方、テイクアウト・デリバリー売上が51.2%増と店内の落ち込みを支えた。22年1月のテイクアウト・デリバリー売上も38.3%増と好調をキープしている。
「にんにく激増し餃子」「おうちで餃子」「ぎょうざ倶楽部キャンペーン」がヒット!
リピーター、ファン獲得を目的に行った販売促進がヒットしていることも人気の背景だ。新メニューの「にんにく激増し餃子」がテレビ広告効果もあり人気化。リモート勤務やマスク装着で臭いを気にしなくてもよいコロナの状況を上手く業績に結びつけた。
テイクアウト・デリバリー向けの「生餃子」も好評だった。焼き上げた餃子でなく、「おうちで餃子」スタイルを提案し、 生餃子の美味しい焼き方動画やアレンジレシピをHPやYouTubeで公開した。
「ぎょうざ倶楽部」でロイヤルカスタマーの囲い込みにも成功した。キャンペーンでクーポンなどの利用者が増え、会員数は21年9月で98.5万人、公式アプリダウンロード数は260万に達している。22年も6月12日まで「2022年版ぎょうざ倶楽部 お客様感謝キャンペーン」を実施中だ。
11年ぶりに過去最高益更新
王将フードサービスの今期(22年3月期)の会社予想の業績は、売上が4.0%増の838億円、経常利益67.0%増の114億円、最終利益は81.9%増の77億円を見込んでいる。経常利益は2010年3月期以来12期ぶり、最終利益は2011年3月期以来11期ぶりに過去最高益を更新する見込みだ。
ただ、これは特殊要因が大きい。時短営業による補助金が12月までで48億円営業外の利益として計上されているからだ。ただ、過去最高の月販を続けていることから今後も期待出来そうだ。
文/編集・dメニューマネー編集部
【関連記事】
・4月に変更!「年金を多く受け取る」ために知りたい3つのこと
・初心者向け!ネット証券オススメランキング(外部サイト)
・エスパー伊東さん「老人ホーム」に 入居費用は年金で足りる?
・株主優待をタダ取りする裏ワザとは?(外部サイト)
・ ガソリン代170円突破!節約のための2つのコツ
(2022年2月22日公開記事)