「清掃員」は60代向けの求人で多い仕事の一つだ。オフィスビルや商業施設を清掃するイメージが強いその仕事内容は、実は多岐に渡る。「シニア層が活躍しているため給料が安いのでは」と思う人もいるかもしれないが、給料事情はどうなっているのだろうか?
ビル清掃だけではない!「清掃員」の仕事内容
清掃員と一言で言ってもさまざまな建物の床や天井、窓ガラスなどを清掃する「ビル清掃員」の他に「ごみ収集作業員」「客室清掃員」「ハウスクリーニング」などがある。
「ごみ収集作業員」は、家庭や店舗などから出されたごみを収集車で回収する仕事だ。地方公務員として働く場合と、委託を受けている会社の従業員として働く場合がある。
「客室清掃員」はホテルや旅館で、ベッドメイキングや浴室、トイレの清掃をする。
「ハウスクリーニング」は、マンションやアパート、戸建の空室の清掃や、人が住んでいる家の全体、またはエアコンやキッチンなどの一部を清掃する仕事だ。
未経験で応募できる求人が多く、雇用形態もパート・アルバイト、契約社員、正社員などさまざまだ。
清掃員の年収はいくら?職種ごとに差はあるのか
いくつかの求人サイトの情報をもとにすると、パート・アルバイトの清掃員の時給は1,000円前後、派遣社員の時給は1,200円前後が相場のようだ。例えば時給1,000円で週に3〜4回、1日8時間働いた場合、年収は約115〜154万円となる。
この年収を踏まえると、年金がなければ清掃員の仕事だけで生活するのはかなり厳しいと言えるだろう。
一方で正社員の平均年収は約342万円とされ(求人ボックス 給料ナビ)、月給に換算すると約29万円。これはあらゆる清掃員の平均なので、種類ごとに差があるのかも見てみよう。
清掃員の種類 | 正社員の平均年収 |
---|---|
ビル清掃員 | 267万8,000円 |
ごみ収集作業員 | 372万3,000円 |
客室清掃・整備担当 | 316万4,000円 |
ハウスクリーニング | 372万3,000円 |
厚生労働省の調査によると、ビル清掃員の平均年収は約268万円、ごみ収集作業員は約372万円、客室清掃・整備担当は約316万円、ハウスクリーニングは約372万円だ。
2020年の日本の平均年収は433万円であるため、いずれも日本の平均を下回っているが、清掃員の種類によって100万円以上の差があることが分かる。
資格を取れば給料アップが狙える?
清掃員に必要の資格はないが、「資格手当あり」とする求人もある。
資格の例として挙げられるのが、ビル清掃の専門的な知識や技術があることを証明する「ビルクリーニング技能士」だ。
その他に、ビル管理士とも呼ばれる「建築物環境衛生管理技術者」や、建物を清掃するときに監督の役割を果たす「清掃作業監督者」については、資格を持つ人の配置を義務付けている清掃現場もあるため、働く上で強みになる。
こうした資格を取ることで、給料アップが狙えるかもしれない。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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