「銀座に志かわ」の業績に見る「高級食パン」ブームのイマ

2022/04/30 10:00

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高級食パンブームは終わったのか?「乃が美」が火付け役で全国に広まったが、「最近、行列がなくなった」「閉店が続いている」とSNS上で話題になっている。銀座に志かわを運営するOSGコーポレーション <6757> の決算から見ていこう。 高級食パンブームから3年 1本(2斤分)で800円を超えるような高価格ながら

高級食パンブームは終わったのか?「乃が美」が火付け役で全国に広まったが、「最近、行列がなくなった」「閉店が続いている」とSNS上で話題になっている。銀座に志かわを運営するOSGコーポレーション <6757> の決算から見ていこう。

高級食パンブームから3年

1本(2斤分)で800円を超えるような高価格ながら、柔らかさと甘みなどが支持された高級食パンは、2013年に大阪でオープンした乃が美が火付け役となり、18年前後には大ブームとなった。消費者のプチ贅沢志向を満たし、ギフトにも使えるパンとして新たな市場を生み出した。

乃が美はすでに全国47都道府県に出店し、店舗数は262店(2月20日、HPの店舗別一覧に掲載数)まで増えるほどポピュラーな存在となった。

ブームにはヒットした高性能トースターにも関係がありそうだ。トースターは数千円で決して高い商品ではなかったが、高級家電のバルミューダ <6612> が15年に2万円を超える高級トースター「BALMUDA The Toaster」を発売しヒットすると、多くのメーカーが赤外線やスチームを使った高級トースター市場に参入した。高級トースターと高級食パンがシナジー効果で需要を押し上げたと可能性もありそうだ。

「銀座に志かわ」の売上は減速も高水準

多くの高級食パンチェーンは未上場であるが、大手の一角の銀座に志かわは、上場会社のOSGコーポレーション <6757> の運営で、決算から現状を追うことが出来る。

同社は、浄水器、アルカリイオン整水器などを中心事業とするが、18年秋より自社の業務用アルカリイオン水を用いた銀座に志かわを設立し、子会社でフランチャイズ展開をはじめた。

銀座に志かわの売上増で、20年1月期からセグメント情報としてフランチャイズ事業の売上・利益を発表するようになった。同部門には高齢者専門の宅配弁当等もあるが多くは銀座に志かわと推定される。

出店計画は、当初3年(21年末)で100店舗を掲げていたが、8ヵ月前倒しで21年4月に100店を達成した。さらに今後の2年間(23年末)に200店舗の目標を掲げている。6月から全国で販売を開始している「生抹茶みつ」も好評だ。

直近の決算である22年1月期第3四半期(21年2〜10月)の同部門の売上は2.6%増の31.2億円、営業利益は12.7%減の4.4億円と増収ながらも減益になっている。

他社の参入激化や宅配フランチャイズ事業を含め成長に向けた積極的な投資等などで販管費が増加したことが主因。それでも営業利益率は14.3%と同社のなかでも高収益であり、同社が21年1月期に過去最高収益を牽引した。

確かに一時のブームからはスローダウンしてきてはいるが、四半期毎に10億円程度の売上水準はキープしており、高級食パン市場自体は定着したようにみえる。今後の「高級食パン」動向には注目したい。

文/編集・dメニューマネー編集部

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