ロシアのウクライナ侵攻で、原油や小麦などが14年ぶりの高値をつけた。ガソリンや食品価格の値上げ圧力は必至だ。今からどのような対策ができるだろうか?金融商品を使ったインフレ対策も知っておこう。
ウクライナ侵攻で石油や小麦価格が急騰する理由
ロシアは、世界における石油・天然ガスの主要産出国の一つである。
ロシアへの経済制裁で供給が停滞する懸念が高まり、原油など資源価格が急騰した。日本でもガソリンだけでなく、電力・ガス料金などが今後、値上がりする可能性が高いだろう。原油高は、包装コストや輸送コストも上げるため、様々な商品の値上げにつながりそうだ。
さらにウクライナとロシアは、世界の小麦輸出量で約3割、トウモロコシで約2割を占めている。ウクライナは「欧州のパンかご」とも言われているほど豊かな地域なのだ。
両国からの提供が停滞する懸念から、小麦、トウモロコシの価格が急騰した。トウモロコシは主に家畜飼料として使われているだけに、畜産品の価格上昇圧力にもなるはずだ。ロシアは肥料においても世界の主要輸出国である。肥料価格の上昇も様々な穀物の価格上昇圧力になるだろう。
3月以降、小麦をつかったパン、パスタなどを中心に食品の値上げラッシュが予想される。価格に反映されるためにパスタを始めとした小麦製品の買い占めが起こる可能性もあるだろう。
1 簡単にできる対応策は「節約」か「まとめ買い」
小麦粉最大手の日清製粉グループ本社 <2002> 傘下でパスタ大手の日清ウェルナではパスタなど家庭用小麦粉製品151品目を1月から3〜9%値上げした。この値上げはウクライナ侵攻前に決めており、今後も値上げが続きそうだ。
簡単な対応策としては使用量を節約し、保存できるものは値上げ前に買って保存しておくのが王道だろう。しかし、今回は食品の値上がり範囲が広がりそうなだけに、すべてのものを保存しておくのは無理がある。
しかも、買い占めは結局市場価格の急騰につながり、「転売ヤー」などを儲けさせるだけで、値上げが自分にも跳ね返ってくる可能性が高いことは、コロナ後のマスクなどの値動きでも分かるはずだ。
2 金融商品への投資で値上げ対策をする
金融市場でヘッジするスマートな方法を紹介したい。商品が値上がりするときにその商品価格と連動する金融商品を購入するという手がある。
原油先物に投資するのはハードルが高いが、石油関連株、原油ETFになら簡単に投資出来る。資源開発のINPEX <1605> 、石油元売りの出光興産 <5019> 、WTI原油価格連動型ETF <1671> などが昨年来の高値圏で取引されている。商社も資源高のメリットが大きく三菱商事 <8058> や三井物産 <8031> などの総合商社も高値圏だ。
小麦関連では、小麦ETF <1695> や穀物ETF <1688> が急騰している。肥料関連では片倉コープアグリ<4031> などが上げている。
もちろん投資は必ず利益ができるわけではない。ただETFは小口からでも投資できることがメリットのため、パスタを買い貯めするつもりで投資する価値はあるだろう。
文/編集・dメニューマネー編集部
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(2022年3月9日公開記事)