定年後に働きすぎると年金が減る?増える場合も?【4月年金制度が変わる】

2022/03/05 11:30

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4月から年金制度が変わる。制度変更に伴い、働き方スタイルにも影響が出てくるが、定年後に仕事をするとしたら年金の受給額はどうなるのだろう?年金が減ってしまう場合と、逆に増えるケースをここでは紹介する。 定年後の再雇用、月28万円稼ぐと年金が減る?働くときの注意点 再雇用で働くと年金が減るかもしれない。定年後は収入が減るこ

4月から年金制度が変わる。制度変更に伴い、働き方スタイルにも影響が出てくるが、定年後に仕事をするとしたら年金の受給額はどうなるのだろう?年金が減ってしまう場合と、逆に増えるケースをここでは紹介する。

定年後の再雇用、月28万円稼ぐと年金が減る?働くときの注意点

再雇用で働くと年金が減るかもしれない。定年後は収入が減ることが多いのに、年金まで減るのか。再雇用の前と後、何が変わるのか理解していないと、生活費が足りず自分や家族が困ることも。老後の働き方として最低限おさえるべきこととは?

収入が多いと年金が減らされる

年金は、老後の生活で困らないようにもらうものなので、収入が多いと減らされてしまう。

基準となる額は、60歳代前半だと28万円、65歳以降だと47万円となる。厚生年金と給料の合計額が、1ヵ月あたりで基準額を越すと減額される。

ただし2022年4月以降は制度が変わり、60歳代前半の人の基準額が28万円から47万円に緩和される予定だ。今までは、28万円から47万円の人は年金が減ったが、4月以降は減らず、満額でもらえる。

再雇用後は基本給が下がり各種手当がなくなる場合が多い

再雇用で60歳以降も働く場合、業務内容や勤務時間が以前と同じでも、収入が減るのが一般的だ。

基本給が下がるだけでなく、家族手当や住宅手当などがなくなり、収入が半分以下になることもある。

ここで、「同じ仕事なのに給料が下がるのは違法では?」と思う人もいるかもしれない。

ただ、自動車学校を運営する会社における正職員定年退職時と嘱託職員時の賃金の問題が争われた名古屋自動車学校事件の裁判例(名古屋地判令和2年10月28日労働判例1233号5頁)では、基本給が定年退職前の6割以下かどうかが違法の目安とされた。

給料がどれほど下がると違法なのかは、仕事内容などで違うので一概にはいえないが、再雇用後の基本給が6割ほどであれば、違法とはいえない可能性がある。

再雇用契約は1年更新のケースが多い

再雇用契約の結び方としてよく見られるのが、1年更新のタイプだ。更新されず、翌年に雇止めにあう可能性はあるのか?

結論としては、正当な理由なく企業が雇止めをすれば基本的に違法だ。

65歳までの就業機会の確保が、法律で企業に義務化されている。理由なく雇止めはできない。

勤務態度が良くない場合や、業績悪化で整理解雇が必要な場合など、企業が契約更新を拒絶できる場合もあるが、基本的には再雇用後に65歳まで働き続けられる。

詳しく読む>>
定年後の再雇用、月28万円稼ぐと年金が減る?働くときの3つの注意点

4月以降、働きながらもらえる年金額が増えるのはどんな人?【28万円の壁】

年金をもらいながら働いて月に28万円以上稼ぐと、年金の支給が一部止められてしまうが、4月からはその額が47万円までに拡大される。つまり年金をもらいながらもっと働いて稼げるようになるわけだが、注意点もある。

どう変わるのか?働いて27万円稼いでいる人のケース

現在、給料27万円、年金額が10万円の人で考えてみよう。

この人は27万円を給料として稼いでおり、年金額が10万円のため、この合算が28万円を超えている。このため、年金は10万円もらえるはずが、受け取れるのは5.5万円。

つまり4.5万円も止められていることになり、実際の収入は給与と年金で32.5万円だ。

これがいわゆる「28万円の壁」で、賃金などと年金の両方を合算した額で判断される。この壁が4月以降、「47万円」にまで引き上げられるわけだ。

4月以降の受取額はどうなるのだろうか。この人は、給料と年金を足しても47万円未満なので、年金が10万円全額受け取れる。つまり受取額は37万円になり、3月までより4万5000円も増えるのだ。

これは現役並みに働いて、年金が大幅にカットされていた人のみならず、年金カットを気にして働く時間をおさえていた人にとっても、メリットが大きい。

注意点──28万円・47万円の計算には通勤手当なども含まれる

28万円や47万円は給料と年金を合算した額と書いたが、実際には基本給だけでなく、通勤手当、残業手当、月額換算した賞与など、会社から支給される様々なものも含めて28万円(4月からは47万円)が計算される。この点は見落とされがちなので注意が必要だ。

70歳からの繰り下げ受給を選んでも支給停止の影響は出る

もう一つ注意すべきなのは、年金の繰り下げ受給をする場合だ。繰り下げによる増額の効果が得られるのは、「もらう予定だった部分のみ」となる。

たとえば、年金が月10万円のうち、4.5万円が止められる場合、繰り下げ受給を選んでも、増額計算の対象となるのは、あくまで5.5万円の部分のみ。年金がカットされるなら繰り下げ受給を選択し、あとで増額された年金をもらおうと考えている人は、この点も注意が必要だ。

詳しく読む>>
4月以降、働きながらもらえる年金額が増えるのはどんな人?【28万円の壁】

文/編集・dメニューマネー編集部

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