「電気工事士」の資格を持っていると、一般的には電気設備に関わる就職に有利とされている。生活に必要不可欠な電気の工事がなくなることはなく、資格を必須とする求人も多いからだ。とはいえ、求人の数や職種が少なくなると思われがちな40〜50代でも、有利になるのだろうか?実際に働いたときの年収も気になる。
電気工事士は「第一種」「第二種」の2種類
電気工事士は、ビルや一般住宅などの電気設備を工事するときに必要な国家資格で、第一種と第二種がある。
第二種では、600ボルト以下で電力を受ける一般住宅、店舗などの工事に従事できる。第一種では、第二種の作業範囲に加え、最大電力500キロワット未満の工場、ビルなどの工事が可能。
資格を取るには、マークシート式の筆記試験と技能試験に合格する必要があり、受験料は1万円前後だ。
申し込み方法 | 第一種の受験料 | 第二種の受験料 |
---|---|---|
オンライン | 1万900円 | 9300円 |
郵便 | 1万1300円 | 9600円 |
例年のおおまかな合格率は、第一種の筆記試験は40%、技能試験は60%。第二種の筆記試験は60%、技能試験は70%で、国家資格の中では難易度が高くないという。
電気工事士の資格は持っていると40〜50代に有利?
電気工事士は、20〜30代の経験者が積極的に採用されるケースがある。「できるだけ長く働いてほしい」「業務に慣れるまでに覚えることがたくさんある」のように考える企業が一定数存在するからだ。
ただ、電気工事士の人手は不足している。例えば、ビルの設備面や衛生面の管理を行うビルメンテナンス業界では、8割近くの企業が現場従業員の不足を実感している(全国ビルメンテナンス協会「ビルメンテナンス情報年鑑2022」)。
こうした状況から、40〜50代でも資格を持っていれば有利になるという。
第二種電気工事士を取得している人のうち約3割は40歳以上で、求人の3件に1件は年齢不問の求人サイトもあり、このことからも幅広い世代が働いていることがうかがえるだろう。
電気工事士の平均年収はいくら?
電気工事士として実際に働くことになった場合、雇用形態は正社員がメインで、平均年収は約416万円だ(厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査」)。日本の平均年収である433万円よりは、やや低い水準にある。
ただ、これはあくまで電気工事士全体の平均だ。資格の種類別に見ていくと、第二種は平均月給が33万円であるのに対し、作業範囲が広がる第一種は約38万円で、ひと月あたり5万円もの差がある(求人ボックス)。
そのため、会社に第一種の資格手当があれば、第二種に加えて取得することで年収アップも狙えるだろう。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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(2022年3月13日公開記事)