ロシアのウクライナ侵攻を受けて、ガソリンやパン、パスタの値上げの波がさらに広がる可能性がある。歯の治療費など、意外なものも影響を受けるかもしれない。
パン、パスタ、うどん、カップ麺
ロシアとウクライナは小麦の主要輸出国で、全世界の約3割を占める。
日本では約9割を輸入に頼っているが、両国からは輸入していない。
ただ、ロシアとウクライナの輸出が鈍って世界的な品薄になれば、相場全体が高くなり、日本で販売される小麦粉やパン、麺類などが値上がりする可能性がある。
ガソリン、ガス、電気
ロシアは原油の主要産出国の一つだが、ロシアへの経済制裁で供給が滞る懸念が大きくなり、約14年ぶりの高値になっている。
ガソリン価格の急激な上昇を抑えるため政府は、石油元売り会社への補助金の上限額を、現在の1リットルあたり5円から、25円に引き上げることを決めた。そのため急激に値上がりすることはないかもしれないが、少しずつ上がる可能性はあるだろう。
ロシアは天然ガスの主要産出国でもある。都市ガスの料金のほか、天然ガスは火力発電の燃料に使われるため、電気料金も上がるかもしれない。
カニ、サケ、ウニなどの魚介類
ロシアは日本にとって第3位の水産物輸入先で、カニやサケ、ウニなどをロシアから輸入している。
これらの輸入が滞り、他の産地に需要が集中すれば、スーパーで販売されている商品のみならず、回転寿司や居酒屋などのメニューの価格にも影響が出る可能性がある。
歯の治療「銀歯」に影響
歯の治療に使う銀歯には、パラジウムという金属が使われている。ロシアはこの金属の主要産出国で、全世界の4割を占めている。
すでにパラジウムの価格が急騰しており、患者にもそのしわ寄せが及び、治療費が上がることが懸念されている。
スマホ、自動車、ゲーム機
日本では、半導体の製造に必要なネオンガスの7割をウクライナに、自動車の主要部品に使われるパラジウムの4割をロシアに依存している。アメリカも、両国の資源に頼っているという。
自動車や、半導体を使用するスマートフォン、ゲーム機、家電製品の生産量を減らさざるを得ない状況が続けば、品薄になって相場全体が上がる可能性がある。
使用量を減らす、値上がり前に購入するなど対策を
ガソリンや電気、ガスなどはまとめ買いといったわけにはいかない。
しかし小麦粉製品については、使用量を減らす、今よりさらに値上がりする前に購入しておくなど、対策をとったほうがいいかもしれない。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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(2022年3月12日公開記事)