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手取りが減る?「4、5、6月に残業すると損する」と言われる理由

2022/05/07 20:00

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「4月から6月は残業しないほうがいい」という指摘を聞いたことがあるかもしれないが、これは、この期間に残業すると会社から天引きされる額が大きくなり、手取り額に影響するからだ。どのような影響があるのだろうか。 天引きされる「社会保険料」が決まる期間 この期間の残業で影響があるのは、毎月の給料から天引きされている社会保険料が

「4月から6月は残業しないほうがいい」という指摘を聞いたことがあるかもしれないが、これは、この期間に残業すると会社から天引きされる額が大きくなり、手取り額に影響するからだ。どのような影響があるのだろうか。

天引きされる「社会保険料」が決まる期間

この期間の残業で影響があるのは、毎月の給料から天引きされている社会保険料が増える可能性があるという点だ。

社会保険料とは「健康保険料」「厚生年金保険料」「介護保険料」の総称で、合計額が毎月給料から天引きされているのだが、社会保険料は4月から6月の給料が基準となり、「その年の9月から翌年8月まで徴収される」仕組みだ。この基準となる額を「標準報酬月額」という。

この3ヵ月に給料が多いと、今年の9月以降の社会保険料か高くなる。「残業すると損をする」というのは、天引き額が大きくなるという意味ではその通りだ。

標準報酬月額は各手当も含まれる

基準となる「標準報酬月額」に影響するのは「残業代」だけではない。標準報酬月額に含まれるものは残業代のほかに、役付手当や通勤手当、家族手当、住宅手当、賞与(年4回以上の場合) などだ。ただし祝い金のような一時的な収入は対象外。

また新社会人など、手続き時にまだ給料が支払われていない人は、この期間に「支払われるであろう給料」を基準にして決められる。

「社会保険料を多く納める=損」とは限らない

「社会保険料が高くなって手取り額が少なくなり損だ」という声があるが、一概にそうとも言い切れない。

なぜなら、いざ社会保険を使う時は納めた保険料が基準となるからだ。たとえば「傷病手当金」や「出産手当金」、将来受け取る年金額も多く納めたほうが受け取れる金額は大きい。

たしかに毎月の給料の手取り額は減るが、一時的な損得ではなく、社会保険の仕組みを知れば、見え方が変わりそうだ。

文/編集・dメニューマネー編集部

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(2022年3月15日公開記事)