安定した仕事のイメージのある公務員。退職金が高いという認識を持っている人もいるかもしれないが、実際はいくらなのだろうか?一口に公務員と言ってもさまざまな職種があり、どの職種の退職金が高いのかも知りたいところだ。
「国家公務員」の定年退職金はいくら?
国家公務員は、大臣や裁判所職員、国会議員などの「特別職」と、各府省で働く一般の行政官や、外交官、税務職員などの「一般職」の2つに大きく分かれる。
退職金は、退職時点での給料や勤続年数、職員区分などをもとに決まる。
職種別の定年退職金は公表されていないが、2019年度における常勤職員全体の平均退職金は、約2,090万円だ(内閣人事局「退職手当の支給状況」)。
国家公務員の退職金は高い、というイメージを持っていたならば、納得の金額かもしれない。
地方公務員の定年退職金はどうなっているのだろうか?
「地方公務員」の定年退職金はいくら?国家公務員より高いのか
地方公務員の退職金は、国家公務員と同様に、退職時点での給料や勤続年数などによって決まる。
役所の職員などを含む「一般職員」や、小中高校の教員が含まれる「教育公務員」、「警察官」といった職員区分別の退職金が公表されている。25年以上勤務した定年退職者のうち、「教育公務員」の退職金が最も高く、2019年度における全国平均は約2,260万円だ。
職員区分 | 25年以上勤務した定年退職者の平均退職金 |
---|---|
一般職員 | 2122万円 |
教育公務員 | 2260万円 |
警察官 | 2228万4000円 |
団体区分別の退職金も公表されており、例えば「一般職員」の60歳定年退職者のうち、最も高いのは都道府県で約2,180万円。その後に、市が約2,120万円、指定都市が約2,110万円、町村が約2,025万円と続く。
国家公務員と地方公務員では、平均退職金を算出する上での条件が異なるため、一概に比較はできない。ただ、上記の平均額だけを見れば、国家公務員の平均退職金である2,090万円を上回っている職員区分や団体区分も多くなっている。
公務員の退職金は今後どうなる?
公務員の退職金は、民間の大企業と比べるとやや低水準あるいは同程度、中小企業よりかなり高いとされている。
実際に、大企業の大卒男性の平均退職金は約2,290万円(厚生労働省「令和元年賃金事情等総合調査」)、中小企業の大卒者の平均は約1,120万円だ(東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(令和2年版)」)。
しかし、国家・地方公務員ともに退職金は年々減少傾向にあり、地方公務員については、2013年度と2019年度を比べると300万円近く減っている。
そのため、今後退職金が少しずつ減っていく可能性もあるだろう。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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(2022年3月15日公開記事)