銀行員が痛感した「普通の人」こそポートフォリオに「金」を組み入れるべき理由

2022/05/08 21:00

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「潮目が変わった バランス型ファンドでも守れない」──。 現役銀行員である筆者は顧客のファンドの保有状況、損益状況を把握し、適切な営業施策を営業店に指示する立場にあります。バブル崩壊、リーマンショック、コロナショックを経験した筆者はこれまでとは違った相場の潮目の変化を感じています。 資産形成には「長期分散投資」が欠かせ

「潮目が変わった バランス型ファンドでも守れない」──。

現役銀行員である筆者は顧客のファンドの保有状況、損益状況を把握し、適切な営業施策を営業店に指示する立場にあります。バブル崩壊、リーマンショック、コロナショックを経験した筆者はこれまでとは違った相場の潮目の変化を感じています。

資産形成には「長期分散投資」が欠かせません。投信会社は分散投資でリスクを下げる工夫をしています。コロナ禍でも高いパフォーマンスを維持できたファンドは投資家から高い評価を得て、純資産が大きく増えました。

ところが、過去に実績のあるファンドも現在のマーケットの変化には対応できず、大きく基準価額が下落しています。

こうした中で、ポートフォリオに「金」(ゴールド)を組み入れる必要があると筆者は思います。

インフレと秩序の崩壊 だから金が必要

多くの投資信託は、国内外の株と債券、不動産(REIT)を組み合わせてリスク分散していますが、現在の「インフレ」と「秩序の崩壊」の中で十分な効果を発揮できていません。

地政学リスクの高まりで株が売られ、金利の上昇で債券価格も下落しています。安全通貨とされてきた日本円までも売られて円安になっています。今の市場には逃げ場がないのです。

だからこそ金をポートフォリオに組み入れる必要があると筆者は思います。

一般的に金は次のような環境で値上がりが見込めます。

・戦争などの有事
インフレ
・安全通貨が売られる

これから我々が直面する市場のリスクをヘッジするには最適な資産が金であると考えるのはこのためなのです。

“普通の人”こそ金が必要

投資に興味がない人、普通の人こそ金を保有すべきです。

金融リテラシーが高い人や腕に覚えがある人なら、デリバティブを利用するなどして収益機会をとらえられるでしょう。巨額の資産があれば専門家に任せることもできるでしょう。

しかし、“普通の人”はインフレと秩序の崩壊のリスクに無防備に立ち向かうよりありません。資産を守る武器のひとつとして「金」が必要なのです。

ところで、金は現物、ETF投資信託などを通じて購入できます。始めやすいのは投資信託で毎月積み立てる方法です。長期積立投資によりドルコスト平均法のメリットを享受できるからです。

環境は大きく変化しています。バブル崩壊後、長らく続いていたデフレは終わり、さらにロシアのウクライナ侵攻により国際秩序は崩壊の危機に直面しています。こうしたリスクから資産を守ることを考えねばならない時がやってきたのです。

文・高村阿木夫(現役銀行員のマネーライター)
編集・dメニューマネー編集部

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(2022年3月17日公開記事)