スーパーの店長にとっての強い味方とも言える「万引きGメン」。万引き犯を見つけて商品ロスを防ぐことは店舗の収益に直結するため、凄腕であればあるほど有り難がられる。万引きGメンの仕事はどのくらい稼げるのだろうか。
東京なら時給1,300円以上も可能
求人サイトで万引きGメンの募集案件を探すと、見つかるのはアルバイトとしての募集がほとんどだ。以下が募集案件の一例だ。
案件名 | 時給レンジ | 勤務地 |
---|---|---|
スーパーでの仕事 | 時給920〜1165円 | 福井県 |
ドラッグストアでの仕事 | 時給995円~1300円 | 大阪府 |
ホームセンターでの仕事 | 時給992円以上 | 大阪府 |
大型書店での仕事 | 時給1200円~1333円 | 東京都 |
例えば福井県の「スーパーでの仕事」の時給は920〜1,165円。福井県の最低時給は858円のため、「最低時給+62〜307円」と分析できる。
一方、東京都の「大型書店での仕事」の時給は1,200円~1,333円。東京都の最低時給は1,041円のため「最低時給+159〜292円」と分析できる。
このように、万引きGメンの時給は最低時給よりはある程度高めのケースが多かった。最低時給で働き手を募集していることが多いコンビニなどよりは、稼ぎやすい仕事であると言えそうだ。
ちなみに正社員や契約社員として万引きGメンを募集しているケースは少ないが、その場合の年収レンジは300〜500万円ほどだった。
書類選考・面接・研修を経て万引きGメンに
万引きGメンになるためには、まず求人に応募し、書類選考と面接を通過する必要がある。募集案件によっては、万引きGメンの適正があるかどうかの検査を行うケースもあるようだ。
採用となった場合、座学研修や現場研修を受け、万引きGメンとして働き始めることになる。警備会社所属の万引きGメンとして採用される場合、スーパーなどの派遣先に直行して仕事を終えたあと、そのまま自宅に直帰できるケースも多いようだ。
将来、万引きGメンの必要性は減っていく?
最近では、AI(人工知能)を活用して万引き犯を効率的に見つけている店も増えている。店内にAI搭載のカメラを複数設置し、万引きを思わせる行動をしている人をAIが発見すると、店舗のスタッフに通知がいくという仕組みだ。
既にスーパーや薬局、雑貨店などで導入事例があり、万引き防止に効果が出ているようだ。
近年は欧米を中心に完全無人化するスーパーやコンビニが増えており、なおさら万引きGメンの役割がなくなっていく。こうした店舗が増えていけば万引きGメンの必要性は減っていき、求人案件もあまり見掛けなくなるかも。誰が見つけるにせよ万引き自体がなくなればそれが一番よいのだが……。
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
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(2022年3月20日公開記事)