新型コロナウイルス対策の「まん防」が解除される地域も多くなってきた。春を感じ、何げない日常のありがたさをカフェで実感する機会も増えそうだ。ただ「カフェ」といっても、イメージする店舗やブランド、チェーンは人それぞれだろう。果たして、「ブランド力」「店舗数」「インスタ映え」という3つの観点から、有力なカフェはどこなのだろうか。
「ブランド」ではスタバ、コメダ、星乃が3強
日本経済新聞社が実施した「ファンづくりの極意 薦めたいブランド1万人調査」では、顧客推奨度(NSP:推奨者から批判者を引いたポイント)が示されている。ブランドランキングの裏付けを示す調査として参照したい。
同調査のコーヒーチェーン部門で1位に立ったのがスターバックスの7.2ポイント、2位コメダ珈琲が4.9ポイント、3位の星乃珈琲が1.2ポイントだった。4位以下はマイナスなので、トップ3の支持率が圧倒的に高い。
スターバックスは家でも職場でもない「サードプレイス」のコンセプトで顧客の満足度を高めることに成功している。スタバマニアと称するファンも多く、世界中のスタバのオリジナルグッズはコレクターズアイテムだ。
コメダは他の主力チェーンと異なりフルサービスを提供し、「昔からの喫茶店」をコンセプトに地元の常連客から愛されている。コメダ部と呼ばれるファンクラブが存在しており、メンバーは3万人にも達している。コメダサポーター、会員間コミュニティとしてだけでなく、メニュー開発などの重要な戦力になっているオンラインサロン的な役割だ。
「店舗数」ではスタバ、ドトール、コメダ、タリーズの4強
カフェの店舗数ランキングで1位はスタバ1,704店、2位ドトール1,286店(エクセルシオール含む)、3位コメダ珈琲957店、4位タリーズ762店、5位星乃珈琲店283店。星乃もドトールと同グループなのでトップ4が飛び抜けている。大手への集約が進みそうだ。
スタバは米国スターバックス、ドトールと星乃珈琲はドトール・日レスホールディングス <3087> 、コメダがコメダホールディングス <3543> 、タリーズが伊藤園 <2593> の経営だ。
「インスタ映え」では断然スタバ
インスタのハッシュタグ(#)がついた投稿数では「#スタバ」が871万件、「#スターバックス」が412万件と圧倒的。
コメダは「#コメダ珈琲」が68万件、「#コメダ」が26万件とスタバとは桁が違う。
「#タリーズ」は52万件、「#タリーズコーヒー」は25万件。「#ドトール」は25万件、「#ドトールコーヒー」は6万件。
インスタ映えでは、客層の若いスターバックスが圧勝だ。
コロナ禍ではコメダ、経済再開後はドトールが堅調
既存店の月次動向と四半期毎の決算を発表しているコメダとドトール(ドトール日レスのセグメント情報)で比較すると、コメダが21年12月7.6%増、22年1月2.8%減、2月2.1%増。ドトールは12月10.6%増、1月17.6%増、2月3.6%増となっている。
アフターコロナの経済再開下ではドトールの既存店が好調だ。その理由は出店圏、客層に違いから説明がつきそうだ。コメダは郊外店比率が高いためコロナ禍でも落ち込みは少なく、四半期ベースで一度も赤字決算にならなかった。
一方、人の動きが大きく制限された都心店比率の高いドトールは苦戦した。タリーズは20年3〜5月、6〜8月、9〜11月期と3期連続の営業赤字だ。
都心店舗が多い、スタバ、タリーズもドトールと同様の傾向だと想定される。今後さらに「都心組」が伸びてくる可能性がありそうだ。
文/編集・dメニューマネー編集部
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(2022年3月22日公開記事)