よく似た言葉の「移民」と「難民」。どちらも元の場所から離れるという意味では同じですが、その背景は大きく異なります。
最近ニュースでよく聞くのは「難民」のほうです。2022年2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻は現在も続き、ウクライナから周辺国に逃れる難民は増え続けています。
「移民と難民」、どのように違うか分かりますか?
日本で「難民認定」されるのは大変なこと
「移民」とは、さまざまな理由によって居住地から移動してきた人のことです。海外に移った人は特に国際移民と呼ばれます。令和2年6月時点で日本に在留する外国人は約280万人で、このうち永住者は約80万人です。
「難民」とは、紛争や迫害のため祖国から逃れてきた人のことです。難民の問題に取り組むのは、国連が1950年に設立した「UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)」という組織です。UNHCRのデータによると世界の難民は2020年末時点で8,240万人、出身国はシリア、ベネズエラ、アフガニスタンなどです。
2022年3月現在、ウクライナでの軍事行動により難民の受け入れが世界的急務となっています。国外へ避難した人は310万人以上とされており、日本でも各自治体が住居を用意するなど支援に動いています。
日本の難民認定は大変ハードルが高く、認定率は1%未満です。難民申請をするには祖国で迫害を受けたことなどの証拠資料を、日本語で作成して提出しなければなりません。申請後の審査期間は、平均1年以上かかり、却下された場合の審査請求(不服申し立て)も合わせると、難民認定されるまでに数年を要することもあります。
令和2年のデータでは日本の認定審査件数は5,439件です。そのうち難民認定された人はわずか47人でした。ただ認定されなくても人道配慮によって一時的な在留資格や就労許可が与えられる場合もあります。
解答:「移民と難民」の違いとは……
「移民」とはさまざまな理由で居住地を離れた人のことで、「難民」とは紛争や迫害から逃れるため国外へ避難した人のことです。2つは緊急性や保護の必要性という点で大きく異なります。
文/編集・dメニューマネー編集部
【関連記事】
・60歳以上が半数以上!「警備員」の給料はいくら?
・初心者向け!ネット証券オススメランキング(外部サイト)
・4月に変更!「年金を多く受け取る」ために知りたい3つのこと
・SBI証券と楽天証券どちらで開設する?徹底比較(外部サイト)
・定年後の再雇用で年金が増える人、減る人【老後の備え】
(2022年3月23日公開記事)