iDeCo(イデコ)の節税メリットが大きいことはよく知られているが、産休・育休中はどうすべきなのだろうか。節税メリットがあるのだろうか、積み立てを続けるべきなのだろうか。
産休・育休中は「所得控除のメリット」がなくなるが……
iDeCoの最大のメリットは、その年の掛金が全額所得控除の対象となることだが、会社員の場合、産休・育休中はこの「所得控除の恩恵」は受けられない。
所得控除とは、その年の所得(収入から必要経費を引いた金額)から一定額を差し引ける制度。その分、課税される所得が少なくなるので節税効果がある。
たとえば年収500万円の会社員で年間24万円の掛金を支払っている場合、年間約4.8万円を節税できる。
なぜ恩恵を受けられないかというと、産休・育休中は基本的に給与が支払われないからだ。代わりに健康保険や雇用保険から手当金が出るが、この手当金は給与と異なり税金がかからないため、差し引く元である所得としてカウントされないのだ。
しかし、このような節税メリットがなくなったとしても、産休・育休中にiDeCoは休止せずに続けたほうがいいだろう。
iDeCoは休止している間も口座管理手数料がかかる。産休・育休で節税メリットがないのは、たいてい数年に限られる。長い積立期間を考えれば一時的なものだ。余裕があるなら、引き続き、掛け金は払い続けたほうがいいだろう。
給与天引きの場合は掛金が引き落とされない
産休・育休中にiDeCoを続ける上で注意したいのは「支払い方」だ。
一般的な掛金の払い方は「口座引き落とし」だが、「給与からの天引き」をしている人もいるだろう。だが、産休・育休中で給与の支払いがないと、掛金の給与天引きができないのだ。
この場合、「口座引き落とし」に変えれば産休・育休中も掛金を支払い続けられる。
産休・育休前に影響がないか確かめよう
産休・育休中に備えて考えておきたいのは、支払いの負担は産休・育休前より重たくなることだ。というのも、産休・育休中にもらえる手当は、産休前の平均給与の3分の2程度、育休開始から半年経過後は2分の1程度しかない。収入が減る以上、負担は重たくなる。
もし、収入が減って掛金の支払いが苦しくなりそうなら、休止ではなく掛金を減らすといいだろう。掛金額の変更は年1回までできる。
産休・育休前にiDeCoへの影響を知り、不都合が起きそうなら事前に対策しておこう。
文/編集・dメニューマネー編集部
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(2022年3月23日公開記事)