みずほとグーグルが提携へ 銀行が急ぐデジタル化 銀行との付き合い方も変わる?

2022/05/21 20:00

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みずほフィナンシャルグループ <8411> とGoogleがデジタル分野で提携することが3月22日、明らかになりました。日経などが報じました。トラブル続きのみずほがグーグルと提携する意味はどこにあるのでしょうか。 また、ゆうちょ銀行が手数料を取ることにするなど、銀行はどこも厳しい経営環境にあります。手数料や

みずほフィナンシャルグループ <8411> とGoogleがデジタル分野で提携することが3月22日、明らかになりました。日経などが報じました。トラブル続きのみずほがグーグルと提携する意味はどこにあるのでしょうか。

また、ゆうちょ銀行が手数料を取ることにするなど、銀行はどこも厳しい経営環境にあります。手数料や通帳のあり方も変わりつつあります。こうした変化は「銀行との付き合い方」にも影響を及ぼしそうです。

1年で1回もシステム障害、金融庁からは指導受けたみずほ銀行

みずほとグーグルの提携は公式には発表されていません。報道によると、グーグルの技術を活用してデータ分析や商品提案に生かすほか、システム障害への対応で遅れていたデジタル化を進める狙いがあると見られているそうです。

みずほFG傘下のみずほ銀行では、2021年2月から1年で11回ものシステム障害が連続しました。特に年末年始には大規模なトラブルが頻発。2021年末の最終営業日に約2700件の他行宛て振り込みが不能になったり、1月には法人向けネットバンキングで処理遅延が起きてサービスが利用しづらくなったりしています。

2021年には金融庁から行政指導を受け、22年1月には業務改善計画書を提出、システム不具合の再発防止に向けて取り組んでいます。

グーグルとの提携では、みずほの行員、社員を派遣するなど人材交流も視野に入っていると報じられており、こうしたトラブル続きで遅れに遅れているデジタル化を進めたい考えがありそうです。

変わる銀行手数料 デジタルチャネルへの誘導急ピッチ

いま銀行にとってデジタル化は急務です。というのも、銀行はデータを活用したビジネスでありながら、規模が大きすぎることもあってシステムや仕組みを時代にあわせて刷新するのが遅いからです。

さらに現在は、超低金利時代。あらゆるサービスがスマホ経由、ネット利用で、いつでも便利に、無料や格安で受けられるようになっています。こうした中で、銀行を利用すると何かと手数料がかかります。そこには多くの行員・社員を抱えているがゆえの人件費と、巨大なシステムの維持・管理費という名目があります。

ゆうちょ銀行 <7182> は1月17日から一部のATM手数料や窓口業務を新設・改定しています。具体的には、ATM利用料がかかるようになったほか、窓口で無料でできていた、大量の硬貨預け入れ・払い込みも有料になりました。

ATM利用だけでなく、「紙の通帳」も今後は消費者にとって負担になりそうです。三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> の三菱UFJ銀行は2021年4月以降に新設された、紙の通帳を発行する口座に年間550円の手数料を加算します。また21年7月以降に新たに作った口座で2年以上利用がないと、未利用口座管理手数料を年間1,320円取るようになるそうです。

三井住友フィナンシャルグループ <8316> の三井住友銀行も紙通帳利用手数料を550円取るほか、デジタルチャネル利用設定がない口座などに手数料を取るようになります。

みずほ銀行でも2021年1月以降、通帳の新規発行または更新時に1,100円の手数料を加算することにしています。

こうしてアナログなサービスの手数料を高くすることで、利用者にネット・スマホなどデジタルサービスの利用を促す狙いがあると見られます。

給料の受け取りや生活費の自動引き落としなど、現状では銀行との関係は切っても切り離せないものです。しかし、便利な金融サービスが次々に生まれてきている中で、銀行との付き合い方を多くの消費者が見直し、一気に時代が変わる可能性は十分にありそうです。

文/編集・dメニューマネー編集部

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(2022年3月23日公開記事)