日興證券の逮捕者続出!株価をコントロールする「相場操縦」の手口

2022/05/22 18:00

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株価をコントロールできる——。株式投資家にとっては夢のような話だが、それを現実にやってしまった疑いで、SMBC日興證券の幹部4人と現役副社長が逮捕された。報道などによると、株価を維持する目的で、「相場操縦」を行ったという。いったいどういう手口なのか。 株価をコントロールする相場操縦の手口 株価は基本的に、「買い」が多い

株価をコントロールできる——。株式投資家にとっては夢のような話だが、それを現実にやってしまった疑いで、SMBC日興證券の幹部4人と現役副社長が逮捕された。報道などによると、株価を維持する目的で、「相場操縦」を行ったという。いったいどういう手口なのか。

株価をコントロールする相場操縦の手口

株価は基本的に、「買い」が多いと株価が上がり、「売り」が多いと株価が下がる。そのため、もし株価を上昇させたいなら、大量の「買い」を仕掛ければいい。逆に、ある銘柄の株価を下落させたいなら、大量の「売り」を仕掛ければいい。

しかし金融商品取引法では、こうした「相場操縦」の行為が禁止されている。一般投資家に影響が及ぶからだ。皮肉ではあるが、逮捕者を出したSMBC日興證券の公式サイトでも、相場操縦の禁止についてしっかりと以下のように説明している。

「相場操縦とは、相場を意図的・人為的に変動させ、その相場が如何にも自然の需給によって形成されたかのように一般投資家に誤解させる、あるいは取引を誘引する目的をもって行う行為のこと」

株式市場が閉まる直前に「買い」を仕掛けると?

もう少し分かりやすく説明しよう。例えばある日、下落を続けていた銘柄が、株式市場が閉まる前に一気に株価が急上昇したとする。そしてその値動きを見ていた投資家が「この勢いが明日も続きそうだな」「株価は底を打ったかもしれない」と感じ、買いを仕掛けたとする。

以下、その際のタイムラインと値動きだ。14時56分に証券会社が相場操縦により大量の買いを仕掛けたあと、株価が上昇に反転したことに気付いた投資家が買いを仕掛け、15時に取引時間が終了した、という流れだ。

時刻株価状況
14:53200円株価の下落が続いている状況
14:54199円
14:55198円
14:56205円相場操縦により、株価が下落から一転、上昇
14:57207円
14:58208円上昇に気付いた投資家が「買い」を仕掛ける
14:59210円
15:00210円その日の取引時間が終了

株式市場が閉まる間際の株価の高騰は、相場操縦による一時的なものだ。そのため、翌日には再び株価は下落基調に戻り、買いを仕掛けた投資家が損失を被ってしまう可能性が高くなる。だから金融証券取引法はこうした行為を禁止しているわけだ。

証券会社の闇はまだまだ深い?

今回のSMBC日興證券の事件のケースでは、相場操縦で株価を上げるというより、株価が下落しないように大量の買い注文を入れていたようだ。

これが事実ならば、本来なら下落するはずだった株価が下落しにくくなるため、明確な相場操縦だ。違法であることはもちろん、証券会社の信頼を大きく損なう行為であると言える。

しかし、こうした事件は過去に証券会社を舞台に何度も起きている。例えば相場操縦事件としては、2008年の丸八証券の元会長などによる事件が有名だ。「禁断の手口」に手を染めるケースは今も昔も起きているわけだ。

証券業界や株式投資家の間で衝撃が走った今回の事件。証券会社の闇は、まだまだ深い?

文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部

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(2022年3月25日公開記事)