遺産が少なくても「相続税が発生するのではないか」と不安に思う人は多いようです。実際は、相続税を支払う義務のある人は少数で、ほとんどの人に相続税は関係がありません。必要以上に不安視しないで済むよう、相続税の基本的な知識をつけたいものです。
相続税が課税される割合は1割以下
相続税がどれくらいの人に関係するかというと、全被相続人(死亡者数)のうち課税割合は8.8%だったとのことです(国税庁「令和2年分 相続税申告実績の概要」)。全被相続人の10人に1人に満たないのでます。
一方で、保険クリニックのアンケートでは、31.4%の人が相続税に「関係があると思う」と考えています。
2つのデータを比べると、相続税を支払う必要がないのに、相続税がかかると考えている人が多いことが分かります。
基礎控除によって遺産が3,600万円以下なら相続税が発生しない
相続税が発生するかを判断するのに最初にチェックすべきなのは「基礎控除」です。
相続税における基礎控除とは、「ここまでは相続税がかからない」という金額を指します。基礎控除によって、遺産が3,600万円以下なら、相続税が発生しないことになるのです。
相続税の「基礎控除額」の計算式は次の通りです。
基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数
法定相続人とは配偶者や子供、親、祖父母、兄弟姉妹などで、「法律的に遺産を相続する権利がある人」のことです。
たとえば法定相続人が1人でもいれば、計算式は次のようになります。
3,000万円+600万円×1人=3,600万円
3600万円控除されるため、遺産が3,600万円以下なら相続税が発生しません。
配偶者ならさらに手厚い控除が使える
相続税では、配偶者向けにさらに手厚い控除が用意されています。
相続税の配偶者控除を適用すれば、遺産額が1億6,000万円までなら相続税が発生しないのです。
この配偶者控除を適用することで、さらに遺産額が高額でも相続税が発生しないこともあります(配偶者控除を適用する場合、仮に相続税額が0円でも税務署へ申告が必要です)。
基礎控除や配偶者控除があるため、相続する遺産が少額であれば相続税は発生しません。1つの目安として、こういった控除があることは知っておいて損はないでしょう。
文/編集・dメニューマネー編集部
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(2022年3月28日公開記事)