3月に入り、全国各地でスギ花粉の飛散がピークを迎えた。日本人の4割以上が花粉症にかかっているとされ(2019年 日本耳鼻咽喉科学会)、内服薬などを服用しても症状が改善せず、悩む人もいる。薬以外にどのような治療法があるのだろうか?治療費も気になるところだ。
注射、レーザー、手術……薬以外の治療法
医師の診断のもとで、薬の服用量を増やしたり、薬の種類を変えたりしても症状が改善しない場合、「注射」「レーザー治療」「手術」といった方法で治療する場合がある。
「注射」にはいくつか種類がある。例えば、花粉症を含むあらゆるアレルギー疾患を体質から改善する「ヒスタグロビン注射」は、週に1〜2回、全3〜6回を1クールとして注射し、効果の持続期間は症状にもよるが3〜4ヵ月だ。
スギ花粉症の重症者を対象とする「ゾレア皮下注射」では、くしゃみや鼻水、目のかゆみなど幅広い症状を改善できるという。1回の接種で、2〜4週間効果が持続する。
「レーザー治療」では、鼻の中にレーザーを照射し、特に鼻詰まりへの効果が高いとされる。治療時間は30分ほどで、治療後は仕事にも行くことができる。半年〜3年ほど効果が持続する。
「手術」は主に2種類ある。鼻の粘膜の中にある骨を除去する手術では、空気の通り道を確保することで鼻詰まりの改善が期待でき、花粉症を抑制する効果が生涯続くという。アレルギー反応を起こす鼻の神経を切断する手術では、鼻水やくしゃみの改善が期待でき、少なくとも3年以上は効果が持続する。いずれの手術も日帰りでできる病院がある。
花粉症の治療費はいくら?手術は高額?保険はきくのか
上で紹介した花粉症の治療は、基本的には健康保険が適用される。
「注射」の治療費は、種類によって大きく異なる。ヒスタグロビン注射は、1回目は1,200〜1,300円(3割負担、以下同様)、2回目以降は600〜800円ほどかかる。これをもとにすると、6回接種を1クールとした場合の相場は、4,000〜5,000円ほど。ゾレア皮下注射は比較的高額で、ひと月あたり9,000〜1万8,000円が相場だ。
「レーザー治療」は、1回1万円ほどかかる。
「手術」は、鼻の両側の手術を日帰りで行う場合、鼻の粘膜の中にある骨を除去する手術は5万円ほど、鼻の神経を切断する手術は18万円ほどかかる。
特に手術は、保険が適用されたとしても、他の治療法と比べて高額だ。しかし1ヵ月に支払う医療費が、年齢や所得に応じて決められた上限額を超えた場合は「高額療養費制度」が適用される可能性があるため、もしものときは利用を検討したい。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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(2022年3月29日公開記事)