政治ニュースを読んでいると、「パーティー券」というワードが出てくる。特に「政治とカネ」をめぐるニュースで多い。しかしこのパーティ券、ほとんどの人は買ったことがないということもあり、一体何のことかイメージできない人も多いはずだ。
「パーティー券」って何?相場は2万円ほど
政治ニュースで出てくるパーティー券は、「政治資金パーティー」に参加するための入場券のことを指す。
政治資金パーティーは「○○を励ます会」といった名称で、政治家や政党が資金集めを主な目的に実施するもので、パーティー券の販売で得た収入から経費を差し引いた金額が、政治活動に充てられる。
パーティー券の相場は2万円ほどで、例えば500枚販売した場合、1,000万円の収入になる。ここから、会場費や食事代(ビュッフェ代など)、招待状の印刷費や郵送費などを指し引いた金額が、政治活動の資金となる。
パーティー券で1,000万円の収入、いくら残る?
では上記の例で1,000万円の収入があったとして、どのくらいの金額が最終的に残るのか。
まず前提として、パーティー券の場合、実際には買っていても当日出席しない人が多い。その割合は50%に上ることもある。寄付目的で購入している人もいるからだ。そのためビュッフェなどの食事は、パーティー券の販売分より少なく用意する形でも問題は出ない。
以下、高級ホテルで政治資金パーティーを開催し、ビュッフェ(4,000円と仮定)や出席者に配る記念品(1,000円と仮定)を250人分用意する場合に残る大体の金額を計算してみよう。ちなみに、政治資金パーティーの「利益率」は7〜8割ほどと言われている。
ホテルの会場代 | 80万円 |
---|---|
ビュッフェに関する費用 | 100万円 |
記念品に関する費用 | 25万円 |
招待状の作成・郵送に関する費用 | 10万円 |
講演者諸経費 | 10万円 |
その他諸経費 | 25万円 |
政治資金パーティーで講演してもらう人への謝礼や交通費、そのほかにかかる諸経費なども含め、経費が全部で250万円かかったとする。その金額をパーティー券の収入1,000万円から差し引くと、750万円残る。「利益率」は75%だ。
透明性に関して問題点を指摘する声も
パーティー券の収入の一部を政治活動に充てることは法律上問題ないが、パーティー券に関しては、透明性の問題が指摘されることもある。
パーティー券の合計金額が20万円を超えない購入者に関しては、購入した人や組織の名称や金額を政治資金収支報告書に記載しなくてもいいからだ。実際、パーティー券収入の大半が購入者は誰か分からないのが現状だ。
こうした匿名性が、政治のカネの問題につながっていると指摘する声は少なくない。今回の記事ではパーティー券について説明したが、政治資金パーティーやパーティー券の仕組みを知ることを通じて、いまの政治の問題点を考えてみてはいかがだろうか。
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
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(2022年3月27日公開記事)