20歳前後の2人に1人が使ったことがあるというマッチングアプリ。ブランド総合研究所が調査したところ、Paris、Tinder、タップル、withの主要4アプリの中で、Tinderだけ「実際と異なる年齢」「プロフィールに芸能人の写真」で登録できることが分かった。

ほかの3アプリは、年齢については身分証の年齢と入力の年齢が違うと登録できなかったり、身分証の年齢に修正されたりするほか、写真については芸能人の写真で申請しても登録できなかったという。

SNSではなりすましや詐欺などの被害が報じられることが多いだけに、こうした対策の違いはアプリやサービスの今後の利用者数、支持率にも影響を与えそうだ。

男性の不満は「費用がかかる」

この調査は、式会社ブランド総合研究所が、全国の18歳から24歳の男女5000人に対し、2月にインターネットを用いて実施した「恋活に関する調査」の中で行われた。1次調査の有効回答数は4981人で、アプリ利用者に聞いた2次調査については、主要4アプリそれぞれ100人前後（Pairs 106人、Tinder 100人、タップル 105人、with 100人）を対象に聞いている。

回答者のうち「婚活や恋活をしたことがある」という1935人に、マッチングアプリの利用について聞いたところ、「現在利用している」「過去に利用していた」をあわせて51%という結果になった。男女別では、男性が47.8%で女性が54.3%と女性が少し多かった。

マッチングアプリを利用している人が感じている不安や不満の質問（複数回答）について多かったのは、「交際したい相手が見つかるか」で45.9%。以下、「業者、サクラがいる」「まわりに知られたくない」「相手の身元がはっきりしない」などと続いた。男性で多かったのは、「費用がかかる」ということだった。

「顔認証による確認」で違い　一番丁寧なのはタップル

本人確認について主要4アプリの方法も調べており、顔認証による確認に違いが出た（いずれも18歳以上であるかどうかは身分証明書の提出で確認している）。

また冒頭述べたとおり、実際と異なる年齢や写真での登録ができるかについても調査している。これはブランド総研が覆面調査して分かったという。

調査報告では「写真認証の機能はあるにもかかわらず、写真が本人でなくても登録ができてしまうアプリもあった。こうした状況から、安心・安全への対策についてはまだ改善する余地があるアプリもあるようだ（なお、今回調査を行ったアカウントは調査終了後、速やかに削除した）」とコメントしている。

調査ではまた、各アプリの「安心安全への取り組み」「監視機能や通報機能、問合せなど機能や体制に関する評価」を聞いたところ、最も評価が高かったのはタップルだった。

総合ではタップルが最高評価だったが、通報機能に対する評価が最も高かったのはwith、利用者が安心・安全に利用するためのガイドラインや、情報をまとめたセーフティンターへの評価が最も高かったのはPairsという結果だった。

ブランド総研はマッチングアプリについて、「コロナ禍の影響もあり、新しい出会いの形として一段と注目されるようになった」ものの、安全性を理由に利用をためらう人も多いと指摘。「個人情報の保護など、システム面で対応できる課題もあるが、利用者同士の交流がメインとなるサービスであるがゆえに、システムだけではコントロールできないモラル面での対策も求められる」とした。

その上で、利用者のプライパシーが守られるシステム面と、それを利用する人のモラル面の両方が高まることで、安心して新しい出会いを見つけられる場として整備されることが、少子化が進む日本の将来性を高めるためにも必要だろう」と述べている。

文/編集・dメニューマネー編集部

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（2022年3月28日公開記事）