「新電力」の撤退相次ぐ 電気が止まる?エルピオ、ウエスト、ホープエナジー……

2022/05/29 18:00

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電力小売事業者のエルピオ電気とウエスト電力を展開するウエストホールディングス <1407> 電力小売事業者のエルピオ電気とウエスト電力を展開するウエストホールディングス <1407> が3月25日、相次いで電力事業からの撤退を表明しました。同じく新電力のホープエナジーも3月22日に破産手続きの

電力小売事業者のエルピオ電気とウエスト電力を展開するウエストホールディングス <1407>

電力小売事業者のエルピオ電気とウエスト電力を展開するウエストホールディングス <1407> が3月25日、相次いで電力事業からの撤退を表明しました。同じく新電力のホープエナジーも3月22日に破産手続きの開始申し立てをしたばかり。なぜ新電力の撤退が相次いでいるのでしょうか。電力料金が抑えられると新電力に切り替えた消費者はどうすればいいのでしょうか。

新電力が苦境に立たされた背景

エルピオ電気やウエスト電力、またホープエナジーは撤退の原因として、度重なるエネルギー価格の高騰とロシアとウクライナの間での国際情勢の悪化と発表しています。

このところ、電力会社が調達する電力の価格は急騰していました。国内唯一の卸電力取引所である日本卸電力取引所(JEPX)の取引価格を見ると、約1年前の2021年3月30日(午後6時)には7.07円/kWhだったのに対し、2022年の同日同時刻では26.26円/kWhと約3.7倍に増えています。

こうした中、3月16日に発生した福島県沖地震の影響で、経済産業省から「電力需給ひっ迫警報」が初めて発表されています。

これらの要因が重なって、撤退が相次いでいると見られます。

なおエルピオ電気は北海道と沖縄県、北陸を除く地域でサービスを提供。契約している顧客は家庭用と企業用であわせておよそ15万7000件にのぼるそうです。

ウエスト電力は東北電力、東京電力、中部電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力の管内をエリアとしています。

ホープエナジー(福岡市)はホープ <6195> の子会社で、2020年10月に設立されたばかりです。全国の自治体や公共施設など約5000施設に電力を供給していたホープが持ち株会社に移行した後、電力小売事業を継承していました。負債額は約300億円。

契約している会社が止めたら電気は止まるの?

もし自分の契約している電力会社が事業を停止したらどうすればいいのでしょうか?

その場合も、すぐに電力が停止される心配はありません。新たな供給先が見つかるまで、各地域の大手電力会社(東京電力・関西電力など)から電力が供給されるからです(資源エネルギー庁の「今さら聞けない電力自由化5つの質問」)。

それでも速やかに切り替えの手続きをするに越したことはありませんし、今後、電力会社を選ぶときは安さを重視だけでなく、倒産や撤退の心配がないかなど慎重な判断が必要になりそうです。

文/編集・dメニューマネー編集部
画像・KrishnaTedjo / stock.adobe.com(画像はイメージです)

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(2022年3月30日公開記事)