同じ会社で仕事をしているにもかかわらず名称が異なる「役員報酬」と「給与」。どちらも労働の対価といえるものですが、2つの内容は少々異なります。
会社の持続的な成長には役員や社員の貢献が欠かせません。働く人間のモチベーションを維持するのに重要な「役員報酬」や「給与」ですが、どのように違うか分かりますか?
税制面での取り扱いは「給与」が有利
「役員報酬」とは、会社の役員に対して支払う給与のことです。役員報酬の総額は会社が決めるのではなく、通常は株主総会の決議で決まります。税務上、経費として計上できる役員報酬は、「定期同額給与、事前確定届出給与、業績連動給与」の3種類だけです。
会社の経費が増えて所得が減れば、法人税が安くなります。損金算入できる役員報酬が決められているのは、「税金逃れのために臨時手当を支給する」といったことをできないようにするためです。
3種類の役員報酬のうち「定期同額給与」は、事業年度を通して毎月同額で支給する給与を指します。「事前確定届出給与」は年度が始まる前に支給額・支給時期を税務署へ申告する仕組みで、「業績連動給与」は有価証券報告書の業績に連動した金額を支給する制度です。
一方「給与」とは、従業員に労働の対価として支払うお金のことです。会社が従業員に払う給与・賞与は全て経費として計上できます。
2013年以来、政府は国民の所得を拡大する取り組みを続けています。賃上げの要件を満たす事業者は法人税の控除を受けられ、令和4年度の税制改正では給与支給額の増加額に対して大企業は最大30%、中小企業は最大40%が控除できる予定です。
解答:「役員報酬と給与」の違いとは……
「役員報酬」とは役員に支給する給与で、株主総会の決議で決まります。「給与」とは従業員に労働の対価として支給するお金で、会社が決定します。給与はすべて損金計上できますが、役員報酬は損金計上できる条件が限られています。
文/編集・dメニューマネー編集部
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(2022年4月3日公開記事)