今、FX投資家が豪ドルに注目している。豪ドル/円は2020年3月、コロナ禍の影響で政策金利が引き下げられて59.88円ほどだった。しかし22年4月上旬現在、92.20円ほどになっている。豪州経済が順調に回復してきているからだが、今後にも期待する声が聞こえてくる。なぜなのだろうか。
豪ドルに期待できる理由1 今年中の政策金利の引き上げの可能性
豪ドルが上昇している背景の一つが、中央銀行が政策金利の引き上げを検討し始めたことが挙げられる。
金利が引き上げられると、投資家はその通貨を買おうとする。日本はまだゼロ金利状態のため、円を持つより豪ドルを持っておいたほうがいいと判断してもおかしくない。
なお引き上げタイミングについては、オーストラリアは慎重だ。早くとも今年6月以降ではないかと予想されている。
豪ドルに期待できる理由2 ウクライナ情勢下に資源国としての魅力が大きい
ウクライナ情勢が長引くほど、豪ドル高への期待は高まるだろう。というのは、オーストラリアは石炭、石油、天然ガスの天然資源に恵まれているし、世界有数の小麦の輸出国だからだ。
ロシアのウクライナ侵攻によって流通が激減したロシア産液化天然ガスや小麦の代替需要が高まっている。オーストラリアからモノを買うためには豪ドルを買う必要があるため、豪ドル高につながる可能性がある。
「豪ドル」に投資する3つの方法
豪ドルに投資するにはどのような方法があるのだろうか。投資初心者の個人がFX(外国為替証拠金取引)以外で、選択肢として考えられるのは次の3つだろう。
方法1 豪ドル建てMMFを買う──手数料と為替レートに注意
「豪ドル建てMMF」という外貨で運用される投資信託が証券会社や銀行などで買える。投資信託といっても、通貨の金利水準が運用成績に反映されるため、外貨を買うのと同じように考えて良い。
注意すべきは、為替手数料が往復でかかる点だ。豪ドルの場合0.80円程度の手数料がかかることが多い。また現在は円安傾向にあるので買い時を見極める必要がある。
方法2 豪ドル債を購入する──償還時の円高に注意
次は、証券会社などが保有している既発外貨建債券を購入する方法だ。設定されている時期によって利率は異なるが、現在の相場に合わせた債券価格で買える。
注意点は、債券の償還時に豪ドル価格が上がっていればその分の利益が出るが、償還時に円高になっていれば為替差損が出ることだ。
方法3 豪ドル債ファンドを購入する──自分に合ったものが選べる
さまざまな投資運用会社が運用している「豪ドル債ファンド」を買う方法もある。
豪ドル債ファンドの多くは、AA格以上の豪ドル建て公社債などを投資対象としている。毎月分配がある商品も多く、魅力だ。
一般的な豪ドル債ファンドなら運用成績はそれほど変わらないので、手数料や分配金などで決めてもいいだろう。
文/編集・dメニューマネー編集部
(2022年4月7日公開記事)
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