「35歳の壁は崩壊した」中高年の転職が珍しくない時代でも「転職は早め」がいい理由

2022/07/31 17:15

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転職は年齢が高くなると難しくなることから、一昔前は「35歳の壁」という表現もありました。最近では40代、50代でも転職は珍しくなくなっていますが、それでも40代になると転職は難しくなります。そうした事実、実態をしっかり認めた上で戦略を考える必要があります。 理由1 実質的な年齢制限は存在する 年齢制限は違法であり原則と

転職は年齢が高くなると難しくなることから、一昔前は「35歳の壁」という表現もありました。最近では40代、50代でも転職は珍しくなくなっていますが、それでも40代になると転職は難しくなります。そうした事実、実態をしっかり認めた上で戦略を考える必要があります。

理由1 実質的な年齢制限は存在する

年齢制限は違法であり原則として認められませんが、一部例外として年齢条件を企業が設定できる場合があります。

それが「長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合」です。

若年者などとして想定されるのは、一般的に35歳未満の人です。この規定を使って企業が募集を行うことがあるので、30代後半や40代だと、そもそも応募できる仕事の数が少なくなります。

理由2 40代以降は子育てや介護でリスクを取りにくい

40代以降は子どもの教育や親の介護などに、時間やお金がかかります。給料から介護保険料が引かれるようになって手取りが減ったり、貯蓄を始めて老後への備えを行ったりもするため、40代以降はリスクを取りにくくなります。

2人以上の世帯(勤労者世帯)の消費支出月額は、40歳未満は26.2万円ですが40代は31.6万円です(総務省「家計調査」2021年)。保険に入れば保険料がかかり、家を買えば住宅ローンの返済や固定資産税の支払いが必要になるなど、40代は何かと支出が多い年代といえます。

理由3 公務員試験でも30代なら受験できる場合がある

安定を求めて公務員に転職したいと思っても、40代以降では受験すらできません。職種によっては年齢制限がないものもありますが、基本的に国家公務員・地方公務員のどちらにも年齢制限があります。

国家公務員試験の場合、ほとんどの職種は30歳までなので、20代しか対象になりません(法務省専門職員などの例外はある)。ただ地方公務員だと年齢の上限が35歳の場合もあるため、30代ならまだチャンスがあります。

20・30代と40代以降の転職活動は違う

30代よりも40代以降のほうが「転職先」の選択肢は狭まります。しかし、40代以降の人であっても、20代や30代の時と比べれば、「キャリアチェンジ」はしづらくとも、「キャリアアップ」は十分にできます。

いま20代や30代の人で、「キャリアチェンジ」を考えているなら早めに行動するとよいでしょう。また自分もいずれ40代、50代になるときのことを考えてキャリアを積みましょう。

いま40代や50代以降であれば、転職活動は若い頃のそれとは別モノであり、時間がかかることを認識して、これまでの経験を生かせるところをしっかり探すつもりで臨みましょう。

文・大垣秀介(マネーライター)
編集・dメニューマネー編集部

(2022年5月31日公開記事)

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