ペットの犬や猫へのマイクロチップ装着を飼い主に義務付ける「改正動物愛護管理法」が6月1日から施行される。
迷子になっても連絡がつきやすくなり、捨て猫や捨て犬が増えるのを防ぐことが期待されているが、ペット愛好家の中でも賛否が分かれている。
ペットを飼っている人への調査では約8割が賛成しているが、「体内に入れるのが心理的、倫理的にいや」「飼育放棄や虐待は減らない」といった声も根強いようだ。
マイクロチップとはどんなもの?いくらかかる?
マイクロチップは直径1ミリ、長さ8ミリ程度の円筒形で、獣医師らが専用の注射器で背中部分の皮膚下に埋め込むもの。必要な費用は、数千〜1万円程度。
チップには、15桁の数字が記録されていて自治体などが専用の機械で読み取り、データベースに登録された情報と照合できるという。
登録情報は飼い主の名前、住所、電話番号、メールアドレス、犬や猫の品種、毛色、生年月日、性別などだ。情報は民間登録団体で登録されているものも含め、環境省のデータベースに一元化されるという。
「災害時に見つけやすくなる」という前向きな意見もあるが……
だが最近の調査では、飼い主の79%が賛成しているものの(賛成:34%、どちらかといえば賛成:45%)、反対も18%いることが分かっている(バイオフィリア)。
既にマイクロチップをペットに装着している飼い主に理由を聞くと、「災害で離れ離れになったときのために見つけやすくするため」というものもあった。自然災害にあってペットと離れ離れになった人にとってみれば、こうした意見はもっともだろう。
ただ反対意見として「飼育放棄や虐待は減らない」というもののほか、「保護すべき子が元の飼い主に戻されてしまうため、保護できなくなる」という声もあり、今後議論になりそうだ。
コロナ直前より増えている飼育数
動物愛護管理法は過去にも改正されており、2022年の改正ではマイクロチップの装着が義務付けられるが、20年の改正では動物の虐待への罰則が強化され、2年以下の懲役または200万円以下の罰金から、5年以下の懲役または500万円以下の罰金が課せられることになった。また21年からは、幼齢の犬猫の販売日齢を規制する内容も盛り込まれている。
ペットの飼育数を見ると、犬はここ10年で若干減っているものの、猫は増えている。だがコロナ直前と比べると、犬、猫ともに増えている。核家族化や少子化が進む現代にあって、ペットを家族と考えて大切にする人も少なくない。ペット保険の市場規模が拡大していることからも、ペットに愛情とお金をかけている人が多い実態がうかがえる。
今回の法改正の内容は、ペット愛好家の中でも意見が分かれている。だからこそ、いまペットを飼っていない人も含めて、ペットとの付き合い方、向き合い方を考える機会にすべきではないだろうか。
文/編集・dメニューマネー編集部
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