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絶好調「一風堂」の戦略 コロナやコスト増のラーメン業界「逆境」に負けない理由

2022/08/03 07:05

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コロナ禍で長浜や家系の老舗ラーメン店が破綻(はたん)した。さらに、強烈な原材料高がラーメン業界を直撃している。しかし厳しい環境下でも「一風堂」は絶好調だ。資本系ラーメンチェーンの新潮流を見ていこう。 力の源が上方修正で株価急騰 一風堂を運営する力の源ホールディングス <3561> の2022年3月期決算は、

コロナ禍で長浜や家系の老舗ラーメン店が破綻(はたん)した。さらに、強烈な原材料高がラーメン業界を直撃している。しかし厳しい環境下でも「一風堂」は絶好調だ。資本系ラーメンチェーンの新潮流を見ていこう。

力の源が上方修正で株価急騰

一風堂を運営する力の源ホールディングス <3561> の2022年3月期決算は、売上17%増の193億円、営業利益10億円の黒字(前期は9億円赤字)で過去最高益を更新した。

4月28日に会社の従来予想の営業利益5億円を上昇修正した。株価は1ヵ月弱で26%上昇して5月24日に年初来高値をつけた。

資本系との競争激化で老舗ラーメン店倒産

ラーメン店はコロナで休業や時短営業した店も多い。さらにコロナによるライフスタイルの変化で、飲んだあとの「シメのラーメン」需要が激減したことなどで苦戦している。

2200年4月には長浜ラーメンの老舗「長浜将軍」が倒産した。2020年9月には、横浜家系ラーメンの老舗「六角家」が倒産。老舗の倒産は、コロナだけでなく、「資本系」によりラーメン業界のビジネスモデルが替わりはじめているからだ。

かつてのラーメン店は、人気店で修行した職人がのれん分けして開業するようなパターンが多かった。

一方、資本系は上場して資金調達し、職人でなくても伝統の味を提供できるようなオペレーションでチェーンを拡大する。ラーメンは「シメ」から「郊外店でのファミリー層」へと変化している。一風堂も博多発祥ではあるが上場後に拡大した。家系「町田商店」で拡大しているギフトホールディングス <9279> も同様だ。

過去に経験がないほどのインフレ、原材料高が直撃

ロシアのウクライナ侵攻、中国のコロナによるロックダウンの影響で食料品価格も上昇が顕著だ。コロナ禍からの世界景気急回復で海運などの世界の物流コストも急上昇。円安も輸入コストを押し上げる。

ラーメンの場合、麺の原材料の小麦、製麺、スープ原料の豚の背脂・鶏油、豚肉・チャーシューなどの値上がりが厳しい。値上げを打ち出すラーメン店も多く、個人ラーメン店では危機対応は厳しそうだ。

一風堂は海外とDXによるコスト削減で逆境に対応する

一風堂の好業績は、時短協力助成金が一定の割合を占めてはいるが、海外の成長とコスト削減効果が大きい。店舗数は3月末で、国内143拠点に対し海外は134店舗。海外のうちアジアが104店舗だ。

前期の国内は売上が103億円(前期比13%増)、営業利益は4億円(前期524百万円損失)。海外は売上が67億円(同25%増)。営業利益は6億円(同3億円損失)。海外が収益をリードした。25年には国内300店、海外300店舗体制を目指している。

国内においては新たな低投資モデルの新規出店、不採算店舗の計画的閉店。モバイルオーダー、持ち帰りニーズ開拓に加え、DX の導入による店舗人件費、本部間接コストの圧縮が奏功している。

ユニクロ、良品計画、スシローなど、勢いのある日本企業はオペレーションとDXを強化して、アジアで成長している。職人が頑張る小さなラーメン店も魅力ではあるが、日本企業としてはアジアで潮流を作る企業に注目だ。

文/編集・dメニューマネー編集部

(2022年6月1日公開記事)

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