不妊治療が広く知られるようになってきたが、企業側の不妊治療への理解や、支える制度はいまだに十分ではないようだ。不妊治療に関する調査で、「会社に不妊休暇制度がない」と答えた人が6割を超えていること分かった。
7割が「不妊休暇を取りたい」「できれば取りたい」
不妊治療の件数は長期で大きく増えている。体外受精の件数は1985年に1195件だったのが、2019年には8万8074件。顕微受精は1992年の963件から、2019年には15万4824件になっている(日本産科婦人科学会などのデータによる)。
こうした中、キャリアデザインセンター <2410> が行ったこの調査「不妊治療と仕事」では、職場に不妊休暇制度があるかを聞いている。「ない」と答えた人が67.4%、あると答えた人はわずか3.4%しかいなかった。また「分からない」と回答した人も29.2%に上っており、当事者以外の関心が薄い実態も透けて見える。
自身が不妊治療をすることになったら、不妊休暇を取りたいかを尋ねたところ、「ぜひ取りたい」「できれば取りたい」という回答があわせて7割近くに上ったが、「できれば取りたくない」「取りたくない」も13.5%いた。
「取りたくない」と答えた人にその理由を聞いたところ、「不妊治療していることが公になるから」が72.8%という最も多かった。また、「不妊治療をしていることで特別扱いされたくないから」(49.5%)、「不妊休暇の取得は不公平と思われたくないから」(42.7%)という答えもあった。
経験者は「職場に迷惑をかけること」が辛いと思っている
不妊治療を経験した人を対象に、仕事と不妊治療の両立でつらいことを尋ねると(複数回答)、「頻繁、急な通院で職場に迷惑をかけてしまう」が80.6%で最も多く、続いて「投薬や通院の負担で体調・体力的につらい」が75.8%、「働いても治療費に消えていくので金銭的につらい」が66.1%だった。
その他、「休暇がほとんど治療に消えてリフレッシュの休暇が取れない」「通院のための休みが取れず、断念する周期もある」「職場で部下たちが先に妊娠していく」というものも。会社が制度・仕組みをつくっただけでは解決できない悩み・課題も多いようだ。
文/編集・dメニューマネー編集部
(2022年6月3日公開記事)
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