「介護破産」とは、介護により親だけでなく子ども世帯も貧困化に陥って破産に追い込まれることだ。万が一親の貯金や年金だけで費用を賄えなければ、子どもが負担することになる。決して、他人事とはいえない。介護破産をしやすい人には、どのような特徴があるのだろう?
特徴1 介護にかかる費用を把握していない
介護にかかる費用を把握できていないと、予想以上の出費でお金を工面できずに介護破産に陥る可能性がある。
介護に必要となる費用をできる限り把握しておくことが大切だ。
例えば、1人当たりにかかる介護費用の平均総額は、約580万円(2021年度 生命保険文化センター調べ)。各自治体に申請して要支援・要介護と認定されれば、課税所得や年金収入の額に応じて、この金額の1〜3割を負担することになる。
特徴2 施設に入居する直前まで情報収集をしていない
介護施設への入居が必要になってから情報収集をすると、「早く施設を見つけなければ」という焦りから、適切な施設を選べない可能性がある。
親が元気なうちに情報収集をしたり、親が望まない介護をしないように家族で方針を話し合ったりした方がよいだろう。
特徴3 公的制度を把握していない
国が用意している公的制度を把握していないと、介護にかかる支出を抑えられず、生活を圧迫することにつながる。
例えば「高額介護サービス費支給制度」では、介護保険を利用して支払った自己負担額が所得に応じて定められた限度額を超えると、超えた分は払い戻しを受けられる。
「介護休業給付」では、介護により会社を休業して給料が十分にもらえない場合、要件を満たすと給料の67%が支給される。
こうした制度は、申請しないと適用されないものが多いため、積極的に情報を集めておきたい。
特徴4 介護を理由に会社を退職する
「会社に迷惑をかけないため」「在宅介護に集中するため」といった理由で退職を考える人もいるはず。
しかし、介護をしている間に貯金が底をつき、再就職しようと思っても離職期間の長さなどから仕事がなかなか見つからず、介護破産に陥る可能性もゼロではない。
働く本人の身体的・精神的負担に配慮するのはもちろんだが、介護休業や時短勤務など、会社の制度を活用しながら介護サービスを利用した方がよい場合もあるだろう。
介護破産を防ぐには早めの準備がカギ
介護が必要になってからさまざまな準備を進めると、「こんなはずではなかった」という状況になりかねない。
介護破産を防ぐには、親が元気なうちに準備をすることが大切だ。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
(2022年6月10日公開記事)
【関連記事】
・6月に届く「年金振込通知書」 捨てちゃいけない3つの場合
・初心者向け!ネット証券オススメランキング(外部)
・新たに10万円!「住民税がかからない世帯」の救済制度
・SBI証券と楽天証券どちらで開設する?(外部)
・加給年金が支給停止になる2つのケース