銀行を利用する際、以前は無料だったことに手数料を請求されるようになっています。既に紙の通帳をつくったり、硬貨をたくさん入金したりするのが有料になりつつありますが、ネットバンキングの認証で使われる「ワンタイムパスワードカード」でも手数料が必要になりそうです。
「ワンタイムパスワード」とは?以前は「確認番号表」だった
ワンタイムパスワードとは、ネットバンキングで振込などをする際に入力が求められるパスワードですが、その名の通り、“一度”(ワンタイム)しか使えません。専用のカード、メールやアプリなどに、その都度新しいパスワードが表示され、一定時間で変更されます。
ワンタイムパスワードが広まる前は「確認番号表」が使われていました。名刺大のカードに確認番号表に英数字が並んでいて、その都度、画面で指定された番号をカードから選んで入力します。そのカードがないと認証できない仕組みです。
ワンタイムパスワードのメリット・デメリット
ワンタイムパスワードの通知方法は3種あります。小さな電卓のような専用の「ワンタイムパスワードカード」を使う場合と、「メール」、「スマホアプリ」です。
「ワンタイムパスワードカード」はスマホ操作が苦手な高齢者などでも使いやすい反面、デメリットとしてカードを忘れると使えないことや電池切れで使えないことがあります。
「メール」はパソコンだけでなくスマホでも読めますが、遅延する場合があります。「スマホアプリ」は、メリットとしてカードのように忘れて外出することが少ないことや、指紋・顔認証と組み合わせてセキュリティが高いことがあります。一方、機種変すると設定しなおす必要がある場合があり、スマホ操作が苦手な人には使いにくいかもしれません。
みずほ銀は発行終了、ゆうちょ銀は再発行で1,650円
セキュリティの高い仕組みのため、ワンタイムパスワードを利用する人は増えてきていますが、紙の手帳発行などと同様、コストが利用者に転嫁されつつあります。それは「再発行の手数料」です。
ワンタイムパスワードカードは電池を使うため、電池切れになるとカードを再発行する必要です。以前は電池切れによる再発行が無料でしたが、最近は再発行を終了や有料にする銀行があるのです。
みずほ銀行はワンタイムパスワードカードの再発行は2020年8月で終了、電池切れの場合はスマホアプリなどへ切り替える必要があります。
ゆうちょ銀行のワンタイムパスワードカード再発行は、2019年7月から有料化されて1,650円(税込)かかります。
三菱UFJ銀行は、電池切れの場合は再発行には費用はかかりませんが、手元にカードがない場合は紛失扱いとなり、1100円(税込)が必要です。
銀行のコスト削減のため、今後はワンタイムパスワードカードの廃止、さらには有料化が進むかもしれません。今ワンタイムパスワードカードを利用している人は、スマホアプリなどへの変更を考えてもよいでしょう。
文・松本雄一(金融アドバイザー)
編集・dメニューマネー編集部
(2022年6月9日公開記事)
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