退職金や年金が減っている今、親が老後破産しないか不安に思う子どもが増えています。「親にお金の話はしにくい」と遠慮していると、困窮してからSOSを出されることになりかねません。親が現役のうちに、子どもは3つのことに取り組んでおきましょう。
1 老後に受け取れるお金を確認する
老後の資金計画を立てるなら、まずは「もらえるお金」を確認しましょう。いきなり貯蓄額は聞きにくいので、年金や退職金の話から始めるとよいでしょう。
「ねんきん定期便に将来の年金額が書いているらしいけど、見たことある?」「退職金が減っているっていうニュースを見た。念のためいくらもらえるか、就業規則を見てみたら?」と提案してみると、親自身が調べるきっかけになるでしょう。
2 老後の生活費を計算してみる
「もらえるお金」がわかったら、「出ていくお金」を確認します。まずは家計簿をつけているかどうか、それとなく聞いてみましょう。
家計簿をつけているなら「退職すると生活も変わるだろうし、退職前に老後の生活費を計算してみるといいんじゃない?」と提案します。家計簿をつけていないなら、1年だけでも家計簿をつけることを提案しましょう。
3 一緒に貯蓄計画を立てる
老後の生活費を計算すると、退職金や年金でまかなえるのか、貯蓄はどのくらい必要なのかといったことが見えてきます。親自身も、老後の生活をかなりリアルにイメージできるでしょう。
ここまできたら一緒に貯蓄目標を決めて、節約の仕方やお金の貯め方の情報を提供します。
節約の仕方は、総務省が公開する生活費の統計が役立ちます。親と一緒に見て、平均より多い項目をテコ入れしましょう。
お金の貯め方はiDeCoやつみたてNISAなど、効率的に貯蓄できる制度を紹介しましょう。国の制度であることを伝えたり、金融機関のシミュレーションを活用したりすると、親も興味を持ちやすいでしょう。
お金の話は、家族でもタブー視しがちです。しかし、親も子も心の中では老後資金に不安を抱えているものです。思い切って老後の話をすれば、お互いに見通しを持って将来に向けて行動できるでしょう。
文・木崎 涼(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
(2022年6月12日公開記事)
【関連記事】
・6月に届く「年金振込通知書」 捨てちゃいけない3つの場合
・初心者向け!ネット証券オススメランキング(外部)
・新たに10万円!「住民税がかからない世帯」の救済制度
・SBI証券と楽天証券どちらで開設する?(外部)
・加給年金が支給停止になる2つのケース