自分に「もしも」のことがあった場合、家族が生活に困るかもしれません。たとえば「自分の口座にお金が十分あるから大丈夫」と思っていても、引き出せない場合もあります。「自分が死んだ時」なんて考えたくないかもしれませんが、家族のためにもやっておくべきことを備えておきましょう。
1 生命保険に入って死亡保険金を配偶者に渡るようにしておく
死亡保険金の特徴は、受取人を指定できることです。
たとえば、自分が死亡した後、両親と配偶者の3人が残されて相続人になった場合、親と配偶者の仲が良くないと、遺産の分け方でもめる可能性があります。
話し合いがまとまらない間、亡くなった人の預金は凍結されて原則引き出せないので、配偶者は生活に困るかもしれません。
しかし、死亡保険金なら配偶者を受取人に指定しておけば、配偶者が自分で請求できます。遺産分割協議が終わるまで待つ必要はありません。
保険会社にもよりますが、手続き書類の郵送後1週間ほどで振り込まれるので、すぐに生活費として使えます。
2 未成年の子がいるなら遺言書を作っておく
未成年の子が相続人になると、手続きに時間がかかって、その間は遺産に手を付けられず家族が生活費に困るかもしれないので、遺言書を作って遺産の分け方を指定しておきましょう。そうすれば、分け方を決める遺産分割協議が不要になります。裁判所で行う代理人の選任手続きも不要です。
子供が未成年で手続きに時間がかかる理由は、本人は遺産分割協議ができず、子の代わりに協議をする代理人を選ぶまで時間がかかるからです。1ヵ月ほどかかったりします。
遺言書は「高齢の人が書くもの」というイメージがあるかもしれませんが、未成年の子がいるなら書いておくと役に立つかもしれません。
形式が心配なら、法務局で遺言書を保管する制度を使えばチェックしてもらえますし、3,900円で利用でき、不備で遺言書が無効になる心配もなくなります。
3 家族名義の口座にもお金を入れておく
自分ではなく家族名義の口座にお金を入れておくのもよいでしょう。
たとえば自分の名義ではなく、配偶者名義の口座にお金を置いておけば、それは遺産にあたらず、凍結されることも、引き出せずに困ることもありません。もしもの時の家族の生活費として、配偶者名義の口座にもある程度のお金を入れておきましょう。
ただ配偶者の口座にお金を振り込むと贈与税がかかる場合がありますが、贈与額が年110万円以下なら非課税です。預金を分けて管理するなど、簡単な対策をするだけで家族が困らずに済みます。
普段からできることがないか、家族で考えて実践してみましょう。
文・大垣秀介(マネーライター)
編集・dメニューマネー編集部
(2022年6月16日公開記事)
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