お金持ちは読書家である──。そんなイメージを抱いている方は多いと思いのではないでしょうか。実際、年収463万円以下の世帯が1年で買う書籍代は平均5,940円であるのに対し、962万円以上の世帯は1万7,784円。およそ3倍近い開きがあるのです。
お金持ちはどんな本を読んでいるのか。ここでは、ビル・ゲイツ氏やウォーレン・バフェット氏など、読書家を公言する大富豪達のおすすめ本を5冊紹介します(価格は紙版、税込み)。
ビル・ゲイツ氏が大学生に配った『FACTFULNESS』

ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド著、上杉周作、関美和訳/日経BP/1980円
国内でも累計100万部を超えるベストセラー本。ビル・ゲイツ氏が絶賛した本としても知られています。2018年にアメリカの大学を卒業した学生のうち、希望者全員にゲイツ氏がこの本を贈ったことでも話題になりました。
「ファクトフルネス」とは、データや事実にもとづき、世界を読み解く習慣のこと。教育、貧困、環境など、幅広い分野が取り上げられていますが、難しい言葉は出てきません。直感的に世界の正しい見方を学ぶことができるようになっているので、一度ページをめくってみることをおすすめします。
ウォーレン・バフェット氏ががゲイツ氏に薦めた『ビジネスの失敗学』

ジョン・ブルックス著、近藤たかし絵、須川綾子訳/講談社/1650円
1960年代に出版された『Business Adventures』という本を漫画とテキストで分かりやすく再構成した本。起業や組織にとって困難な時期を迎えるきっかけとなった出来事や事件を取り上げ、当事者への取材を通じて商売や取引の本質を浮かび上がらせています。
原著は半世紀以上前の実話ですが、今もなおビジネス書の古典と言われる傑作。ウォーレン・バフェット氏が初対面のビル・ゲイツ氏に「ビジネスの必読書」を尋ねられた際も、迷わず本書の名前を挙げたそうです。
マーク・ザッカーバーグ氏が絶賛する『ゼロ・トゥ・ワン』はサラリーマンも必読

ピーター・ティール、ブレイク・マスターズ著、瀧本哲史序文、関美和訳/NHK出版/1760円
YouTubeやテスラ・モーターズのような成功企業を次々に立ち上げる起業家集団の中心人物であり、伝説の起業家・投資家として名高い著者が、スタンフォード大学で行った起業講義をまとめた本。
タイトルの通り、過去の成果をコピーするのではなく、ゼロから1を生み出す企業を立ち上げるにはどうしたら良いかが書かれた本となっています。
数々のスタートアップを手掛けてきた著者の起業論は、サラリーマンから見ても興味深いはず。ちなみに、後述のイーロン・マスク氏もこの本をすすめています。
ユニクロ・柳井正氏のバイブル『成功はゴミ箱の中に』

レイ・A.クロック、ロバート・アンダーソン共著、野地秩嘉監修・構成、野崎稚恵訳/プレジデント社/1572円
世界最大のハンバーガーチェーン・マクドナルドを創った著者による自伝。『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』として、映画化もしています。
52歳にして事業展開に乗り出した著者が世界的チェーンを創り上げていく様子は、ビジネス書としてだけでなく読み物としての面白さも抜群。
本書を「バイブル」として絶賛するユニクロ(ファーストリテイリング <9983> )の柳井正氏、同様に本書を賛美するソフトバンクの孫正義氏の対談も収録されており、まさに「一冊で三度美味しい」名著です。
イーロン・マスク氏の愛読小説『さよならを待つふたりのために』

ジョン・グリーン著、金原瑞人、竹内茜訳/岩波書店 /1980円
最後に紹介するのは小説です。SF小説好きであり、多読家として知られるイーロン・マスク氏がすすめる本のうちの一冊。映画化(アンセル・エルゴーと主演、邦題『きっと、星のせいじゃない。』)もされた青春小説です。
重い病気を患う二人の若者が出会い、惹かれあう物語……というと敬遠する人もいるかもしれませんが、決して悲しいだけの物語ではありません。登場人物達が病気と戦う様子をリアルに描き、テンポの良い会話や描写でぐいぐい物語の中へ引き込んでくれます。
ビジネス書だけでなく、心の琴線に触れるような小説の世界に触れてみるのも大切なことなのかもしれません。
文/編集・dメニューマネー編集部
(2022年6月18日公開記事)
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