親や自分に介護が必要になった時、介護保険を使えば原則1割の自己負担で介護サービスを受けられる。しかし、その他の制度も使うことで、介護の負担がさらに軽くなることがある。どのような制度があるのだろうか?
1 10万円の自治体が多い!在宅で介護している家族に支給──「家族介護慰労金」
家族介護慰労金とは、介護サービスを利用せずに、在宅で高齢者を介護している家族がもらえる慰労金だ。
自治体によって条件は異なるが、要介護4または5と認定された高齢者を介護していることなどを条件とする場合が多い。一部の自治体では、要介護3も対象としている。
支給される金額も自治体によって差があるが、年間10万円を支給する自治体が多い。
支給を受けるには、自治体の担当窓口に書類を提出する必要があるが、1回限りの受給ではなく、条件を満たせば毎年申請できる。
2 月給20万なら13万円もらえる!介護休業を取得した家族に支給──「介護休業給付」
介護休業とは、要介護状態にある家族を介護するための休業制度のことだ。この制度を利用した時にもらえる給付金を「介護休業給付」という。
条件は介護する人が雇用保険に加入していることや、介護のために2週間以上休まなくてはならないことなどで、条件を満たせば正社員だけでなくパートやアルバイトも対象となる。
支給される金額については、介護休業が始まったときの賃金の日額の67%を支給日数分だけもらえる。例えば、正社員の月給が20万円の場合、1ヵ月あたり約13万4,000円が支給される。最長93日を限度に、3回までもらえる。
介護休業給付の申請は、原則として事業主がハローワークで行う(休業を終えてから)。給付を受ける本人は、必要書類を事業主に提出しなくてはならない。
注意したいのが、介護休業給付はあくまで職場復帰を前提としていることだ。そのため、介護休業前にすでに退職が決まっている場合は受給できない。
3 20万円もらえる?バリアフリー工事をした場合に支給──「居宅介護住宅改修費」
居住介護住宅改修費とは、自宅のバリアフリー工事にかかった費用の補助を受けられる制度のこと。対象となる工事には、手すりの取り付けや段差の解消、引き戸などへ取り替えなどがある。
支給限度基準額は、要支援や要介護、工事費用に関わらず一律20万円だ。これはあくまで基準であり、のまま支給されるわけではなく、被保険者の所得に応じて1〜3割が自己負担となる。
例えば1割負担の場合は2万円を負担し、残りの18万円が支給される。
支給を受けるには、着工前に自治体の担当窓口に申請し、工事が終わったら領収書などを提出しなくてはならない。
申請漏れには要注意
これらの支援金や給付金の対象になっていても、自分で、もしくは事業主を通じて申請しなければ支給されないことに注意したい。
対象となる場合は忘れずに申告し、介護費用の負担を少しでも減らそう。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
(2022年6月19日公開記事)
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