専業主婦(夫)やパートの人が離婚を考えたときに頭をよぎるのは、年金のことだろう。正社員と比べると額が少ないことが予想されるからだ。年金制度には、離婚の際に配偶者から年金を分けてもらう「年金分割」という仕組みがあるが、年金分割を受けられないケースもある。特に見落としがちなケースについて見ていこう。
ケース1 配偶者が自営業者
夫が自営業者である場合、たとえ妻が専業主婦やパート勤務で収入が低かったとしても、年金分割は受けられない。
なぜなら年金分割は結婚していた期間の「厚生年金」を分け合うための制度であり、国民年金や私的年金は対象ではない。
ただし、離婚する時点で夫が自営業者であっても、以前は会社員で厚生年金に加入していた期間があれば、その期間に納めた厚生年金は分割できる。
ケース2 離婚後2年以内に手続きをしていない
年金分割は、離婚してから2年以内に年金事務所または年金相談センターで手続きする必要がある。受給開始時期が先だからと後回しにすると、分割請求できなくなる。
なお年金を分割する側が離婚後に亡くなった場合は、亡くなってから1ヵ月以内に手続きをしないと分割できない。
離婚後はなかなか連絡を取りづらくなることが多く、このような例外も踏まえると離婚と同時に手続きを済ませるほうがよい。
ケース3 分割してもらう側が年金を10年未満しか支払っていない
年金分割を受ける側は、年金の受給資格を満たしていなければならず、それは「公的年金の保険料を支払った期間が10年以上あること」である。
経済的な理由などで国民年金や厚生年金を10年未満しか支払っていない人は、年金をもらえないだけでなく、年金分割も受けられない。
「年金分割を受けられると思っていたら実は受けられなかった」と落胆することのないよう、離婚を考えた時点で条件をしっかり確認しておこう。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
【関連記事】
・老後破産するアブナイお金の使い方
・初心者向け!ネット証券オススメランキング(外部)
・10月から年金が減る?振り込み額が少なくなる2つのパターン
・積立NISAを始めるタイミングは2022年がベスト?(外部)
・金運アップにつながる朝の習慣4選