円安、高金利!「ドル定期預金」は今からでも始めるべきか?

2022/09/22 07:00

米ドル外貨定期預金(1年)の利息は、9月12日時点でが3.5%程度まで上昇しており、円定期預金(1年)の0.01%程度に比べると魅力ある水準だ。 しかも、ドル円は一時24年ぶりに145円付近まで上昇した。外貨預金は開始時よりも解約時に円安になっていれば、円換算で資産が増える。今からでも外貨預金をはじめるべきだろうか?

米ドル外貨定期預金(1年)の利息は、9月12日時点でが3.5%程度まで上昇しており、円定期預金(1年)の0.01%程度に比べると魅力ある水準だ。

しかも、ドル円は一時24年ぶりに145円付近まで上昇した。外貨預金は開始時よりも解約時に円安になっていれば、円換算で資産が増える。今からでも外貨預金をはじめるべきだろうか?

多くの銀行で外貨預金ラッシュが起きている

外貨定期預金に過去にないようなペースで投資資金が集まっている。大手メディアの報道によると、新生銀行では初めて外貨定期預金をする人が2022年7月には2021年月間平均に比べ8倍に急増した。

8月の外貨定期預金残高は1,150億円と半年で65%も増えた。ソニー銀行でも8月の新規の預け入れ額は半年前比1.8倍。その他、多くの銀行で外貨預金ラッシュが起きている。

新生銀行の1年ものドル定期預金の金利は3.5%

人気の一番の理由は外貨定期預金の金利が急上昇していることだ。

世界的にインフレ傾向が強まっており、米国の中央銀行は、インフレを抑えるために意図的に金利を上げているためだ。

外貨預金の金利は、預け入れ通貨と預け入れ期間、銀行によって変わる。また、新規口座開設者に優遇金利をつけるなどキャンペーンを実施しているところも多い。

新生銀行における外貨定期預金の標準例で比較してみよう。米ドル預金の1年定期の利息は9月12日時点で3.5%である。

他通貨ではユーロ1年が0.7%、かつては高金利通貨と言われた豪ドルは3.0%、ブラジルレアルは1.0%だ。ドル金利は高金利通貨として人気だ。ちなみに、円定期預金は1年で0.01%である。円に比べると米国の1年利回りは350倍だ。

米ドルの1年定期は、2021年12月末時点では0.20%程度だった。今年に入ってドル金利は17.5倍に急騰している。

歴史的な円安もドル預金人気に拍車

外貨定期預金に投資した多くの人達は金利とともに円安メリットを期待している。9月7日にドル円は一時144円99銭と1998年以来24年ぶりの円安をつけた。2021年末は115円14銭だった。今年になって約30円、30%も円安になったのだ。解約後の円での手取りが30%増えたことになる。

歴史的な円安は、米国が金利を上げていることが原因だという見方が主流だ。投資資金はつねに利回りが高いところに流れる。米国がドル金利を上げるから、ドルに資金が集まり、ドル高・円安になるサイクルになっている。

今からでもドル定期預金をするべきか?

1年の利回り3.5%は魅力的だ。ただ、今のようにドル円の動きが激しいならリスクも大きい。

米中央銀行はインフレを緩和するために、政策金利(FFレート)の誘導目標を現在の2.25〜2.50%から年末には4.0%程度まで上げる方針だ。

とはいえ、それを見越して米市場金利上昇、ドル高・円安も進んでいる。24年ぶりの円安で、プロのエコノミストでもさらに円安になるという見方と、そろそろ反転するという見方に分かれている状況だ。

将来に米国に旅行や留学をする予定があり、必ずしもドル預金を円に戻す必要がない場合にはドル預金は良い選択肢だろう。

ただ、為替の見通しに不安がある場合は慎重になったほうががよさそうだ。円高になれば3.5%程度の利回りは為替損で吹き飛んでしまう。

それでも外貨定期預金をやってみたい場合は、外貨定期預金は基本的には解約ができないので、1ヵ月や短期で始めるのが良いだろう。新生銀行では、ドル預金1ヵ月定期1.8%、3ヵ月2.2%、6ヵ月2.7%程度だ。1年定期に比べて金利は低くなるが、円や他通貨に比べれば十分に魅力的な水準であり、検討する価値がありそうだ。

文/編集・dメニューマネー編集部

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