iDeCoの掛金を1年間で同じ金額払うなら、月払いでも年払いでも同じと思うかもしれません。しかし、払い方が違うといろいろな点で差が出ます。実は、年払いの人は加入者全体の2.8%しかいません。月払いにせず年払いにすると、どんな問題が起きるのでしょうか。
年払いの節約効果はわずか年1,155円
iDeCoでは掛金を払うたびに手数料がかかり、月払いなら年12回、年払いでまとめて払うなら年1回手数料がかかるので、年払いのほうが手数料を12分の1に抑えられます。
ただし、手数料は1回105円です。年12回なら1,260円、年1回なら105円なので、節約できるといっても1,155円しか変わりません。
年払いでまとめて払うとリスクが集中して危険
掛金をまとめて1回で払う場合、払ったときに投資信託の価格が上がっていると購入できる量が減ります。1年分の掛金すべてが、投資信託の価格変動の影響を受けるのです。
一方で、月払いにして各月に分けて掛金を払うなら、年払いのような過度なリスクの集中はありません。資産運用で大切なのはリスク分散であり、この考え方に合うのは月払いです。
年払いでも1年目に掛金を多く払えるわけではない
例えば10月からiDeCoを始めて掛金を払う場合、月払いだと12月までの3ヵ月分しか払えません。年払いなら12ヵ月分の掛金を払えるので、年金資産を多く積み立てられてよいと考える人もいるかもしれません。
しかし、iDeCoの掛金のルール上、年払いではこのような払い方はできないのです。年払いだと、加入1年目は最大でも12月までの月数に応じた金額しか払えないので、10月から掛金を払うなら12月までの3ヵ月分しか払えず、月払いと同じです。
年払いにメリットがあるとはいえず、逆に月払いのほうが、掛金額が毎月一定で家計管理がしやすいといったメリットがあります。払い方に迷ったら、月払いにするほうがよいでしょう。
文・大垣秀介(マネーライター)
編集・dメニューマネー編集部
【関連記事】
・老後破産するアブナイお金の使い方
・初心者向け!ネット証券オススメランキング(外部)
・10月から年金が減る?振り込み額が少なくなる2つのパターン
・積立NISAを始めるタイミングは2022年がベスト?(外部)
・金運アップにつながる朝の習慣4選