会社員・男性(45)、共働き 子ども2人(小6、小4)の相談
「住宅ローンは70歳で完済予定のため、あと25年ありますが、今後、固定金利が上がる可能性を考え繰り上げ返済したいです。できれば定年を迎える60歳までには……と考えています。返済額は月12万5,000円、手取り月収は夫婦合計で約55万円、ボーナスは年間約150万円です」
住宅ローンの金利はこれから上がるかも?
アメリカやイギリスなど世界中で金利を上がる中で、日本でも住宅ローン金利が上がっています。たとえば、みずほ銀行の10年固定金利は2022年1月から0.3ポイント上がり、2022年9月現在、1.1%になっています。
今後も金利が上昇する可能性を踏まえ、相談者のように、繰り上げ返済で返済期間を短縮することも検討しましょう。
アドバイス1 ためる目標額を「60歳以降の返済予定額」とし、コツコツ貯めましょう
60歳の時点で完済したいのであれば、これから追加で貯めるべき目標額は、「現在の返済計画で60歳よりも後の10年間に支払う総額」です。
相談者の場合は1,500万円です(12万5,000円×12ヵ月×10年)。いまが45歳なので、60歳まで残り15年間で繰り上げ返済します。1,500万円を15年なので、1年で100万円貯めればいいことが分かります。1年で100万円なので、「毎月8万円」程度ではなく、「毎月3万円、年2回のボーナスからそれぞれ32 万円」のように、家計に無理のない配分を考えましょう。
アドバイス2 数年に一度のペースで繰り上げ返済しましょう
繰り上げ返済は早いほうよいのですが、手数料がかかってしまうので、4~5年に一度を目安に数回に分けて行いましょう。相談者の場合、2〜3回というイメージです。
手数料がもったいないからといって、60歳になって一度で一気に繰り上げて返そうとすると、それまでの間に余分な利子を払わなければいけません。そこで、繰り上げ返済の回数を抑えつつ、利子も増えないようにしたいところです。
住宅ローンの計算は、金利がからむことで複雑になりがちです。細かい点を気にし過ぎるより、60歳以降に支払う返済額を単純に計算し、早めに貯金を始めることを優先させましょう。
繰り上げ返済だけでなく、借り換えや条件変更も考えよう
金利の先行きは誰にも分かりませんが、住宅ローン金利は市場金利の影響を受けることから、「上がるかもしれない」と考え、できる対策を考えておくことが大切です。
繰り上げ返済のほかにも「借り換え」や、毎月の返済額を増やすなど「条件変更」という選択肢もあります。それぞれを比べて、ベストな方法を選びましょう。
文・武藤貴子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
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