「いつもと同じ残業時間のつもりが残業代が急に増えた!」喜んではいけない理由

2022/10/04 07:00

いつもと同じくらい残業していたつもりだったのに、ある時突然、残業代が2倍や3倍に増えることがあります。そもそも残業が多い働き方が常態化しているのはよくありませんが、「サービス残業ではなく手当てが出るから、いいか」と思っている人も少なくないでしょう。しかし、毎日の残業時間が同じくらいでありながら、残業代がグッと増えるのは

いつもと同じくらい残業していたつもりだったのに、ある時突然、残業代が2倍や3倍に増えることがあります。そもそも残業が多い働き方が常態化しているのはよくありませんが、「サービス残業ではなく手当てが出るから、いいか」と思っている人も少なくないでしょう。しかし、毎日の残業時間が同じくらいでありながら、残業代がグッと増えるのは、“働きすぎ”を示す危険なサインです。

残業が月60時間を超えると割増率アップ。中小企業は来年4月から

「残業代」と呼ばれる時間外手当ては、会社は給料の25%以上割増しして払わなければいけません。そして残業時間がひと月あたり60時間を超えると、割増率は50%以上となります。

たとえば月給20万円で、就業規則上は1日8時間・月20日勤務の人なら時給換算額は1,250円(20万円÷160時間)です。

実際には毎日12時間働いて残業を1日4時間・月80時間するなら、残業代は60時間までの分は1,250円×1.25×60時間で93,750円になります。そして、60時間を超えた20時間分については、1,250円×1.5×20時間で37,500円になるわけです。

現在、この規定が適用されているのは大企業だけですが、2023年4月から中小企業にも適用される予定です。

午後10時以降の深夜残業なら割増率がさらにアップ

午後10時(22時)から午前5時まで働く深夜残業なら、通常の割増率25%に深夜労働に伴う25%が加算されて、割増率は最低でも50%です。

つまり月の残業時間が60時間を超える場合は、さらに25%増えて合計75%になり、通常の25%に比べて3倍の残業代が出ます。

上で例示した時給1,250円の人の場合、75%増しなら時給2,000円を超えることになります。

月の残業時間が45時間超なら要注意

一般的に、健康障害と業務との関連性が強まると言われるのは、直近半年間の残業時間が平均して月45時間を超えた場合です。また、過労死ラインの目安となる残業時間は月80時間です。

月に20日働いて1日3時間・月60時間の残業が常態化しているなら、45時間を大幅に超えています。毎日4時間なら残業は月80時間であり、過労死ラインに達していて危険です。

残業代が2倍や3倍になって収入が増えても、決して喜べる状況ではありません。体調を崩すなど、何かあってからでは遅いので、残業を少しでも減らすように努めましょう。

文・大垣秀介(マネーライター)
編集・dメニューマネー編集部

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