相続に備えたい

有名人が相次いで死去……「死んだ後に見られたくないデータ」はどうすればいいのか

2022/10/06 07:00

アントニオ猪木さん、三遊亭円楽さんなど誰もが知っている有名人が相次いで亡くなり、「死」について思いをはせた人も少なくないだろう。そうした中で気になるのが「自分が死んだ後どうなるか」ということだ。 遺書とか財産の話ではなく、「見られたくないデータがあるのではないか?」ということ。「スマホを見られたらどうしよう」「パソコン

アントニオ猪木さん、三遊亭円楽さんなど誰もが知っている有名人が相次いで亡くなり、「死」について思いをはせた人も少なくないだろう。そうした中で気になるのが「自分が死んだ後どうなるか」ということだ。

遺書とか財産の話ではなく、「見られたくないデータがあるのではないか?」ということ。「スマホを見られたらどうしよう」「パソコンは見られたくない」と誰もが思うはず。こうした“デジタル”なデータについて、どういう対策をしておくべきなのだろうか。

「見られてもいい」と「見られたくない」に分ける

残念ながら「もしも」のことがあったときに、一切合切、自分のスマホやパソコン、タブレットなどは誰にも見せない、というわけにはいかない。

家族は、たとえば銀行や証券などの財産を確認する必要もあるだろうし、スマホやネット回線、サブスクリプションなどの契約も解約しなければいけないからだ。

そこで、スマホやパソコン、タブレットなどの機器、さらには各種ウェブサービスのアカウントなどを「見られてもいい」(隠さない)と「見せない」(隠す)に分けるといいだろう。

これは機器・デバイスで分けてもよいが、クラウドサービスを使っていれば、デバイスを問わないので注意が必要だ。

見せてもいいデータの保管

まず「見られてもいい」データだが、この中に「見せるべきデータ」を含めることになる。っとえば資産や各種の契約に関連する情報のことだ。

そのデバイスまたはアカウントには、家族が必要な情報をまとめておく。そして、自分に何かあったらみてほしいということをあらかじめ家族に伝えておくわけだ。家族がログインしたら分かるように、デスクトップにメモを残したり、フォルダ名を分かりやすくつけたりするといいだろう。

見せないデータの保管方法

ポイントは「見せない」データだ。これをどう隠すがが、誰もが知りたいことだろう。

まず見せない、隠したいデータの保管方法は、フォルダやファイルを常に暗号化しておくこと、パスワードも容易に推測されないものにすることが欠かせない。そして最も大事なのが、「家族が知らないと困る情報は含めないこと」だ。

見せるデータ、伝えるべきデータのほうに、家族が必要な情報が入っていれば、ひとまずは困らないはず。

家族に見られてもいいデータのほうに必要な情報がなければ、家族が「もしかしたら、このデバイスにあるかも……」と考え、見られなくないデバイスをこじあけられてしまうかもしれない。たとえいくら暗号化しても、家族が詳しい専門家に依頼するなどして、データを見られる状態にするかもしれない。

また、「見られたくないデータがある」ことを知らない家族が、スマホやパソコンなどを処分してしまい、そのデバイスを受け取った第三者がデータを見てしまう可能性もある。

いろいろな状況を考えると、「絶対に見られないようにする」ことはなかなか難しい。しかし、必要な情報がしっかり伝わるようにしておくこと、見られたくない情報がどこにあって、それはプライバシーなので見ないで欲しいと伝えておくことで、故人の意思として尊重してもらえるはずだ。

見てもいいデータ、見られたくないデータ、それぞれがどこにあるかを事前に伝えづらいのであれば、スマホやパソコンを開いた時に、それがしっかり分かるようにファイルやフォルダの名前をつけておこう。

70歳以上でも半数以上が(終活で)「何もしていない」

ある意識調査で全国の15歳以上の2000人に終活について聞いたところ、7割以上が「何もしていない」と回答。70歳以上でも半数以上がそう答えている。また各種パスワードをデジタルで管理している人は4分の1に過ぎなかったという。

こうした調査を見るにつけ、ほとんどの人が対策できていないのが現状だろう。しかし、人はいつ死ぬか分からない。だからこそ、今のうちに、“見られたくないものを見せなくて済むように“しておくべきだろう。

文/編集・dメニューマネー編集部

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