業務スーパーは全国に1000店舗近くあるが、そのほとんどがフランチャイズ加盟店で、オーナーになれば業務スーパーのブランドや商品を利用して経営できる。フランチャイズ加盟店のオープンにはいくらかかり、オーナーはどれくらい稼げるのだろうか。
フランチャイズ加盟店のオープンまでの流れは?
業務スーパーのフランチャイズ加盟店は、次のような流れでオープンする。
1.業務スーパーの運営会社「神戸物産 <3038> 」に問い合わせ
2.業務スーパーの特徴や運営方法、契約内容の説明を受ける
3.出店希望場所の確認
4.店舗レイアウトの作成
5.加盟審査のための書類の提出
6.加盟審査
7.出店決定
8.契約締結
9.出店予定の物件が賃貸の場合、不動産賃貸借契約を締結
10.工事の実施
11.研修
12.商品搬入
13.オープン
このようにオープンまでにはたくさんのプロセスがあるが、業務スーパーでは、スーパー経営が未経験の人でもオープンできるよう手厚いサポートを行っている。
たとえば、店長と従業員を対象にした1週間の研修や、店舗の陳列のサポート、発注システムの操作指導などをしてくれる。
店がオープンした後も、担当のスーパーバイザーが店舗を巡回し、店舗レイアウトの見直しや接客指導、販売促進についてのアドバイスなどを行うという。
オープンにかかる費用は?ロイヤリティが少ないのが特徴
フランチャイズ加盟店をオープンするにかかる費用は合計で3000〜4000万円前後。内訳は、加盟金として200万円(消費税など別途)、保証金として1000万円、常温棚や冷凍設備の工事費として2000〜2900万円(店舗の広さなどにより変動)だ。
また毎月の固定費として、発注システム使用料が月額2万8571円(消費税など別途)かかる。
さらに、フランチャイズ加盟店は運営会社に対して「ロイヤリティ」を定期的に支払わなくてはならないが、その金額は仕入れ値のわずか1%(一部地域を除く)で、他社と比べると極めて低いとされている。
フランチャイズオーナーはいくら稼げる?
オーナーがいくら稼げるのか、具体的なデータは公表されていないが、試算してみよう。
同社の資料によると、標準的な業務スーパーの損益は次のとおりだ。
標準的な業務スーパー1ヵ月の損益シミュレーション | ||
---|---|---|
損益勘定 | 月額金額 | 構成比 |
売上高 | 3200万円 | 100.0% |
売上総利益 | 512万円 | 16.0% |
販売管理費 | 448万円 | 14.0% |
内 賃料 | 130万円 | 4.1% |
内 人件費 | 144万円 | 4.5% |
営業利益額 | 64万円 | 2.0% |
これをみると、売上高3200万円、そこから仕入れ金額や賃料、人件費など運営にかかるさまざまな費用を除くと、営業利益額は64万円だ(人件費は従業員への給料だけと想定)。これを単純に1年間に換算すると768万円だ。
これはあくまでシミュレーションだが、大手スーパーの店長の年収が700〜800万円といわれているので、少なくとも同程度の収入が得られるのかもしれない。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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