「130万円の壁」3つの注意点!通勤手当も給料に含まれる?

2022/10/08 08:00

家族の扶養に入る収入の目安として「130万円」がありますが、その考え方を勘違いすると、家族の扶養に入れず困ることがあります。扶養から外れたら、自分で社会保険料を払わなければいけません。どんな点に注意が必要なのでしょうか。 通勤手当は「130万円」の判定に含まれる? まず注意すべきは「通勤手当」はその130万円には計上す

家族の扶養に入る収入の目安として「130万円」がありますが、その考え方を勘違いすると、家族の扶養に入れず困ることがあります。扶養から外れたら、自分で社会保険料を払わなければいけません。どんな点に注意が必要なのでしょうか。

通勤手当は「130万円」の判定に含まれる?

まず注意すべきは「通勤手当」はその130万円には計上するという点です。

たとえばパートの人の、給与が128万円でも通勤手当として別で5万円もらっているなら、合計で130万円を超えたと考えられ、扶養には入れないのです。

「130万円の壁」のほかに「103万円の壁」もある

ややこしいのですが、この「130万円」は社会保険の扶養の基準です。

このほかに、税金面で扶養に入れるかどうかの基準があり、それは130万円ではなく「103万円」です。こちらの場合は、交通費は含めずに考えます。

前出の例では、通勤手当の5万円は考慮しませんが、そもそも給与が128万円で、「103万円」を超えているので、税金面での扶養にも入れないことになります。

過去の収入額ではなく今後の見込み額で決まる

扶養に入れる条件として「130万円」を考える時、見るべきなのは“実際にいくら収入があったか”ではなく、“扶養の申請をする時点で、今後1年間の収入が130万円以内になる見込みか”です。

これに対し、税金の扶養基準である「103万円」の場合は、1月1日から12月31日までの“実際の収入額”で決まります。

ここで気になるのが、「ずっと扶養に入っている人が、ある年だけ年収が130万円を超えた場合、扶養から外されるのか?」ということですが、実際には、扶養の認定は取り消されないことが多いようです。

厚生労働省の方針で「恒久的な勤務時間の増加を伴わない一時的事情で、ある年だけ収入が増えて130万円を超えても、原則扶養認定は遡って取り消さないこと」となっています。

転職や昇給で給料が増えたといったことではなく、たまたま働きすぎたという背景であれば、扶養の認定は続くと考えていいでしょう。

扶養認定の取消基準は組合によって異なる場合がある

しかし、収入の状況によっては、途中で認定が取り消される可能性もあります。扶養に入っている人の認定を取り消す基準が、健康保険組合によって異なる場合があるからです。

取り消す基準はたとえば、「月収が2ヵ月連続で108,334円以上となった場合」や「直近3ヵ月の平均月収が108,334円以上となった場合」など、健保組合によって異なります。

「1年で130万円以内なら問題ない」と考えがちですが、数ヵ月間の平均額に関する基準を定めている健康保険組合もあるので、扶養に入るなら規定をよく確認しておきましょう。

文・大垣秀介(マネーライター)
編集・dメニューマネー編集部

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