10月に食料品など多くのモノが値上げされ、消費者としてだけでなく、投資家として企業の株価にどう影響するのか気になるところです。値上げは買い控えにつながるので、「売り上げが落ちるのでは?」という心配がある反面、利益率が改善して業績がよくなるという期待もできそうです。値上げがプラスに評価されそうなのはどんな企業なのでしょうか。
1 ブランド力のある企業
経営戦略やマーケティングで独自のブランドを築いている企業は、値上げしても購買意欲が衰えにくいと考えられます。
たとえば日本マクドナルドホールディングス <2702> が考えられます。同社は9月末に今年2度目の値上げに踏み切りました。またユニクロを展開するファーストリテイリング <9983> もブランド力のある企業といえそうです。フリースなど一部の秋冬物の商品を値上げしましたが、気温が急に下がったこともあってか、今のところ秋冬物の販売は好調に推移しているようです。
2 購買頻度の高い嗜好品や調味料などで高シェアの企業
アルコールなどの嗜好品や調味料など、買う頻度の高い商品は、知名度とシェア率の高い企業にとっては値上げは追い風です。
和風だしやうまみ調味料で国内トップシェアの味の素 <2802> はうま味調味料を2022年6月に値上げしましたが、2023年1月には再び値上げします。
アサヒグループホールディングス <2502> などビール大手4社も10月から一斉に値上げしていますが、中でもアサヒビールは、高価格帯商品の強化しており、円安の効果もあって値上げでも増益を確保できると見込んでいます。
3 低価格を武器に集客する企業
値上げで消費者の節約志向が高まるため、ドラッグストアやディスカウントストアなど低価格を武器に集客する企業にも好材料です。
マツキヨココカラ&カンパニー <3088> 、ツルハホールディングス <3391> などドラッグストア各社は食品や日用雑貨品の値引きで集客し、利幅の大きい化粧品や医薬品の販売につなげる戦略をとっています。
ドン・キホーテを運営するパン・パシフィックホールディングス <7532> の前期2022年6月期の決算ではディスカウントストアの日用雑貨品の売上高が前期比で17%伸びていました。
ブランド力やシェア率の高い企業は、消費者から支持を得ている分、一時的に売り上げは下がっても、取り戻す可能性は十分あるでしょう。しかし、いまそうした力がある企業のすべてが支持され、株価が上がるとは限りません。消費者としてだけでなく、投資家としても、値上げした企業がどう評価されるのかしっかり注視していきましょう。
文/編集・dメニューマネー編集部
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