メジャーリーグ・エンゼルスの大谷翔平選手の2022年の経済効果は457億941万円──。これは関西大学の宮本勝浩名誉教授が10月6日は公表したもので、宮本名誉教授は「一人のアスリートが創り出す経済効果としては空前絶後」と指摘、「日本の人気球団の阪神、巨人、ソフトバンクなどが約70人の選手で1シーズンかかって優勝した時の経済効果と同じような金額」とコメントしている。
宮本教授はこれまでにも、上野動物園のパンダや東京スカイツリーなどあらゆる出来事についての経済効果を試算、発表している。以下、宮本勝浩・関西大学名誉教授による試算を一部紹介しよう。
昨年のMVP獲得の経済効果は240億円だったが……
経済効果の試算では、日本とアメリカそれぞれの国での直接的な効果を計算。球場にどれくらい観客が増えて消費したか、MLBが放映権収入をどれくらい得たかや、大谷選手の年棒・スポンサー契約料、グッズ売上高、さらには日本からの応援ツアーの売り上げなどが含まれている。
なお昨年、大谷選手がアメリカンリーグのMVPをとったとき、経済効果を約240億1,674 万円と試算しており、今回それを大きく上回った理由として次の5つを挙げた。
(1)昨年のMVP獲得はシーズン後で集客に影響しなかった
(2)年俸3,000万ドル(約43億4000万円)で契約を更改した(21年の年俸の 10 倍)
(3)アメリカの急速なインフレによる物価が高騰した
(4)為替レートの急速な円安
(5)2年続けて二刀流で大活躍、ベーブ・ルースの二刀流の成績を超えた
過去にはスカイツリーやパンダ誕生の経済効果も発表
宮本名誉教授はこれまでにも、あらゆる出来事についての経済効果を試算し発表している。
たとえば東京スカイツリーについては、開業10周年の際に10年間の経済効果として約7814億円と発表した。
また2017年6月に東京・上野動物園で誕生したジャイアントパンダ「シャンシャン」の経済効果は、誕生から約3年半で約539億円と試算。上野動物園のパンダでは2021年6月にも双子のシャオシャオとレイレイが誕生しており、この時は一般公開後1年間の経済効果として約308億円と発表している。
野球関連では、メジャーリーグから日本のプロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスに戻った田中将大選手が宮城県にもたらす経済効果として、年間57億円としていた。
また阪神タイガースが2005年に優勝した時の経済効果は643億円、2013年の楽天優勝では230億円という試算も発表しており、大谷選手一人での効果がどれほど大きいかがうかがえる。
文/編集・dメニューマネー編集部
画像・AmeriCantaro / stock.adobe.com(2016年撮影)
【関連記事】
・老後破産するアブナイお金の使い方
・初心者向け!ネット証券オススメランキング(外部)
・10月から年金が減る?振り込み額が少なくなる2つのパターン
・積立NISAを始めるタイミングは2022年がベスト?(外部)
・金運アップにつながる朝の習慣4選